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『清少納言に恋した男』拓麻呂です。
清少納言が書いた枕草子を代表する言葉『いとをかし』
枕草子を読むと、よく『をかし』と出てくるので耳慣れた言葉ではあるのですが、どういった意味なんでしょうか?
今回は『いとをかし』を簡単にサクッと解説いたします。
春はあけぼの『いとをかし』
出典:Wikipediaより 枕草子絵巻 鎌倉時代
『いと』と『をかし』
『いとをかし』は『いと』と『をかし』の2つの言葉で構成されています。
『いとを』と『かし』ではないのでご注意ください。
では『いと』と『をかし』を現代語にするとどんな意味になるかと言いますと・・・
『いと』・・・・とても
『をかし』・・・趣(おもむき)がある、興味深い
と言った意味になります。
なので『いとをかし』を、そのまま現代語に訳すと、
『とても趣がある!!』
となります。
なので、枕草子で『をかし』と出てきたら、清少納言が趣を感じている、あるいは興味津々な出来事が書かれている、という事になります。
春はあけぼのにも『をかし』が隠れているんです
枕草子と言えば一段の冒頭部分が有名です。
『春はあけぼの』ですね。
この最初の部分にも実は『いとをかし』が隠れているんです。
『春はあけぼの』の全文は以下のようになります。
春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは少しあかりて 紫立ちたる雲の細くたなびきたる
一見すると、どこにも『をかし』がありませんが、実はとても大事な部分に隠されています。
では『いとをかし』を入れてみましょう。
春はあけぼのいとをかし やうやう白くなりゆく山ぎは少しあかりて 紫立ちたる雲の細くたなびきたる
こんな感じで『春はあけぼの』のすぐ後ろに、実は『いとをかし』が隠されているんです。
なので現代風に訳すと以下のようになります。
春は明け方がとても趣がある!!
つまり、少しずつ白くなる山の稜線が少しだけ明るくなって、紫色に染まった細い雲がたなびいている空の風景。
そこに清少納言は、春の趣を感じているということになります。
『春はあけぼの』から始まる枕草子一段は、清少納言が感じた春夏秋冬の情景を綴ったものです。
この後、夏、秋、冬と続きますが、全て清少納言にとっての『いとをかし』な風景なのです。
なお、枕草子一段『春はあけぼの』に関しては、コチラで詳しく解説しています。

枕草子で平安女性の感性を楽しもう
以上『いとをかし』のサクッと解説でした。
枕草子というと古典のイメージが強くて、小難しい印象がありますが、内容は決して難しくなく、むしろ現代人でも共感のできる内容目白押しです。
千年前に生きた平安時代の人たちも、現代人と何も変わらない感性で日々楽しんだり、喜んだり、憤ったり、悲しんだりしていたことが分かる枕草子。
ぜひ、平安時代の感性や、清少納言のヒステリック!?な部分に触れ、楽しんでみてください。

とりあえず、もうちょっとだけ枕草子について知りたい方はコチラへ

では、今回はこの辺で!
ありがとうございました。