火之迦具土神(カグツチ)という日本の神様をご存じでしょうか?
日本の神話には、多くの神々とその背後にある物語が存在します。
その中でも、火を司る神であるカグツチが登場する神話の中で最も有名なのが、創造の女神「イザナミ」との物語です。
この物語は、日本神話の中でも特に深い悲劇を秘めています。
「火の神が生んだ悲劇」とは一体何なのでしょうか?
・イザナミとの関係は?
・古事記にどのように描かれているの?
と疑問を抱いているなら、ぜひこの先もお読みになってみてください。
日本神話の中に隠された真実を知ることで、あなたはこの文化の奥深さを感じることができるでしょう。
それでは、カグツチとイザナミの物語を紐解いていきましょう。
※本記事は古事記の神話をベースにしています。
カグツチのプロフィール
まずはカグツチのプロフィールを見ていきましょう。

【神名】
火之迦具土神、火之夜藝速男神、火之炫毘古神など
【神格】
火の神
【家族構成】
父:イザナギ、母:イザナミ、兄弟姉妹:オオゲツヒメ、オオヤマツミノカミなど神産みで成った神様多数、子供?:タケミカヅチ
【お祀りしている主な神社】
秋葉神社(静岡県)、火男火売神社(大分県)など
【略伝】
イザナギとイザナミによる神生み神話の時に産まれた神様の一柱。その名の通り日の神様であることが災いし、生まれ出てきたときに母イザナミの陰部に火傷を負わせてしまう。この大火傷が元でイザナミは亡くなり、怒り狂ったイザナギに首をたたっ斬られてしまった。その際に飛び散ったカグツチの血からもたくさんの神様が生まれている。
カグツチのデータ
産まれて間もなくイザナミが亡くなってしまい、すぐにイザナギの怒りを買い斬首されているので登場頻度はとても少ない。
戦闘描写が無いため不明ですが、火の神様という時点でなんとなく強そうなイメージがあります。
イザナギの容姿を直接的に示す神話はありませんが、火の神様という時点でなんとなくワイルドなイメージがあります。
特段有名だとは思いませんが、火属性という高めな汎用性を備えているため、ゲームなどに登場しやすい傾向があるような気もします。
火属性の為どうしようもなかったことですが、産まれる途中で母の陰部を焼いてしまったのはさすがにマズかったと言わねばならないでしょう。
火属性の時点でかっこいい
イザナミとカグツチの関係
カグツチとイザナミの関係を端的にお伝えすると、イザナミが母でその子供がカグツチです。
↓コチラの記事↓で詳しく書いていますが、イザナミは日本の国土や多くの神様を産んだ女神でした。

このお話を「国生み・神生み神話」と言います。
この神生み神話で生まれた一柱の神様が「火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)」、つまりカグツチです。
火神カグツチがもたらした悲劇の神話
カグツチは火の神様です。
ゆえに燃え盛る炎を纏った神様だったのでしょう。
しかし、この火属性がとんでもない悲劇をもたらしました。
母イザナミがカグツチを産んだとき、陰部に大火傷を負ってしまいました。
火傷を負った苦しみ悶え、嘔吐や排泄物を垂れ流しながらも神産みを続けますが、とうとう力尽きてしまいました。
ちなみのこの時の嘔吐物や排泄物からも神様が誕生しています。
結果、最愛の妻を失った夫のイザナギは怒り狂います。
そして、息子であるにもかかわらず怒りに任せてカグツチの首を斬り落としてしまいました。
この時、炎がほとばしり、血しぶきが飛び散りるという凄まじい光景となりましたが、このカグツチの血液からもたくさんの神様が誕生しています。
これが、カグツチが引き起こした悲劇の神話なのです。
カグツチが残したもの
以上のように、カグツチの神話は言ってしまえば『イザナミに火傷を負わせて死なせた→イザナギに斬られた』というだけのお話しで、非常に短いものです。
しかしながら、この神話は火の持つ恐ろしさや危険さ、あるいは力強さを伝えるメッセージ性も感じます。
悲しいことではありますが、現在でも火による事故は後をたちません。
だからこそ、カグツチとイザナミの神話には現在にも通用する教訓を感じます。
そして何より、イザナミが亡くなったことで、とても有名な「黄泉国」の神話へと突入していくことになります。
黄泉の国の神話はイザナギとイザナミの神話で最も有名であり、なおかつ悲しい別れの神話でもあります。
さらにはプロポーズの起源が隠されていたり、人の生死んい関する非常に興味深い解釈も含まれています。
その詳細はこちらに記事に詳しく書いていますので、ぜひご覧になってみてください。
→イザナギとイザナミはどんな神様?実在した?関係等わかりやすく解説

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【参考にし主な書籍】