枕草子に登場する女房 小兵衛の人物像!清少納言や定子との関係は?

ご来訪ありがとうございます。

拓麻呂です。

枕草子には清少納言の他にも、何人かの女房が登場します。

その中でも、特に異彩を放つ『小兵衛(こひょうえ)』という、キャラが立った女房がいます。

そんな小兵衛の人物像を、枕草子の記述から紐解いてみたいと思います。

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『小兵衛』という女房

小兵衛の登場章段

生没年は未詳。

清少納言と同じく、藤原定子に仕えた女房として、枕草子に登場します。

小兵衛が登場する章段は、全部で三つ。

八三段『職の御曹司におはしますころ、西の廂に』

八六段『宮の五節出でさせたまふに』

一三三段『円融院の御果の年』

(章段数は、勉誠出版 枕草子大事典によります)

以上の章段の中で、小兵衛がどのような人物として描かれているのか、具体的に見ていきましょう。

八三段『職の御曹司におはしますころ、西の廂に』

この段は、枕草子の中でも比較的有名で、庭の雪山を巡って、ひと悶着起こる内容になっています。

ここに登場する『常陸介(ひたちのすけ)』という、浮浪者のような女性が、たびたび宮中にやってきて、清少納言ら女房たちと、やや親密になっていきます。

その様子を『右近の内侍(うこんのないし)』という一条天皇に仕える女房に伝えるため、小兵衛が常陸介のモノマネをしたという記述があります。

このモノマネを見た右近の内侍は、常陸介に興味を持ったようです。

この時の会話が、とても楽しそうに描かれています。

八六段『宮の五節出でさせたまふに』

小兵衛の人物像が、最もよく見て取れるのがこの段です。

おおまかな内容としては、五節の舞という宮中行事を描いた内容です。

時系列でいうと、前述の八三段よりも、前の出来事です。(枕草子は時系列で書かれていない)

小兵衛の服の肩に付いていた赤紐が解けてしまい、誰かに結んでもらおうとしたところ、藤原実方(ふじわらのさねかた)という男性貴族がそっと近づき、紐を結んでくれました。

この後、実方は和歌を詠んで立ち去りました。

これは小兵衛に対する好意を意味するものです。

当然、小兵衛は返歌をしなければなりません。

返歌をするのは、一種の礼儀作法みたいなものです。

しかし、小兵衛は恥ずかしがって、どうしていいのか分からなくなってしまします。

周囲の女房たちは、恋の行く末をじれったく見守っているのですが、完全に照れてしまった小兵衛は、和歌を詠むことが出来ません。

結局は、清少納言が和歌を代作することになり、小兵衛の話題は終わりになります。

この段で、清少納言は小兵衛のことを『年若き人』と書いています。

また、小兵衛の恥ずかしがる初々しい姿などから、おそらくは十代半ば~後半くらいで、定子に仕えて間もない新米女房だったのではないかと思われます。

一三三段『円融院の御果の年』

この段では、小兵衛の名前だけが出てきます。

定子の夫である一条天皇が、乳母だった『藤三位(とうさんみ)』という年配の女性にいたずらを仕掛けるエピソードです。

藤三位のことをからかった手紙が、彼女の元に届けられるのですが、この時に手紙を持ってきた子供がいます。

この子供を小兵衛が手懐け、使いに走らせたらしいことが書いてあります。

小兵衛は定子の女房なので、この悪戯には、定子も加担していたことになります。

この段は、一見陰湿な内容に思えます。

しかし、枕草子を読むとわかるのですが、そういうタイプの話ではなく、気心知れた者同士が遊んでいるような雰囲気です。

こういった少しノリが軽いというか、ちょっと悪戯っぽい雰囲気が、定子や清少納言が輝いていたころの、定子サロンなのです。

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小兵衛の人物像と定子との関係

以上が小兵衛の登場するエピソードです。

物まねをしていたり、定子の悪戯に加担したり、その一方で恋に奥手で恥ずかしがっていたり。

清少納言が言うように、いかにも年若い女の子といった雰囲気です。

また、八六段から推測する限り、年齢的にも定子に近かったと思われます。

(ちなみに清少納言は、定子よりも10歳前後年上)

さらに、一三三段で悪戯に加担していることからも、定子とかなり近い存在であったと思われます。

枕草子に出てくる女房の中でも、比較的登場している方なので、清少納言とも親しかったのではないでしょうか。

そして、清少納言と同様に、定子サロンの中心人物であったと思われます。

ノリの良さそうな女性なので、清少納言や定子とも相性が良かったのかもしれませんね。

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まとめ

以上、枕草子に登場する『小兵衛』についてでした。

登場するエピソードを見る限り、清少納言と定子とも相性がよく、さらには清少納言と同様に定子サロンを代表する女房だったのかなと言う印象です。

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では、今回はこの辺で!

ありがとうございました。


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