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『清少納言に恋した男』拓麻呂でございます。
世界最古のエッセイと言われる『枕草子』。著者の清少納言はこの作品の中で、1000年前の様々な事柄を取り扱っています。
今回はその中から平安時代の【とにかく辛いもの】を見ていきたいと思います。
この記事は非常に考えさせられる内容です。そして、人として大切なことは何なのか思い出させてくれる記事でもあります。
清少納言が考える人間関係。人に憎まれることとは?そして愛されることとは?
古文? 品詞分解? 歴史的仮名遣い?
そんな専門知識が無くたって『枕草子』は楽しめる!!
単純ですが実に奥が深い内容をお伝えします。
~平安時代のとにかく辛いもの~
人に憎まれること
清少納言は『人に憎まれること』は非常に辛いと語っています。一部を抜粋して、どのように語っているのか見てみましょう。
この世の中で非常に辛いことは、何と行っても人に憎まれること。
どんな者でも憎まれたいと思う人などいるのだろうか?
しかし、宮廷でも親兄弟の間柄でも、人によって愛される者、愛されない者がいるのは非常に悲しいことだ。
どんな身分の者でも愛される人は、周囲の注意を惹いてチヤホヤされる。
当然ながら容姿の綺麗な子供を可愛がらない親はいない。
普通の子供でも親であれば可愛がるもの。
親にでも、上司にでも、友人にでも、人に愛されることほど素晴らしいものはない。
非常に考えさせられる内容です。特に最初と最後の赤字部分。人間の深層心理は1000年前から不変であると言えるのではないでしょうか。
現代社会にも通じる考え
現代社会には『うつ』が蔓延しています。主な理由が過重労働、そしてもうひとつが人間関係。上司のパワハラに悩まされ、心を病んでしまう人が後を絶ちません。
上司は嫌われ役と言う人が時折います。果たして本当にそうなのでしょうか?嫌われ者を演じるあまり、必要以上に部下にプレッシャーを与え部下の心を破壊する上司。
そんな人に限って『部下の成長の為』などと綺麗ごと言ったりします。ところが、うつ状態にしてしまったからと言って上司は、あるいは会社は責任を取る訳ではありません。
中にはただの癇癪持ちの上司もいるでしょう。しかし仕事だからと言って、本当に嫌われる必要などあるのでしょうか?
賛否あると思います。
しかしながら僕は枕草子のこの一節を読んでから、嫌われようとする上司というものに疑問を抱き続けています。
人に愛されるという事
清少納言は人に愛されることは素晴らしいと語っています。誰でもそう思うのは当たり前の事。しかし、当たり前であるからこそ現代日本が見落としている事なのではないでしょうか?
最後にもう一度、枕草子の言葉を記しておきます。
この世の中で非常に辛いことは、何と行っても人に憎まれること。
どんな者でも憎まれたいと思う人などいるのだろうか?
親にでも、上司にでも、友人にでも、人に愛されることほど素晴らしいものはない。
※参考:枕草子 二六七段『世の中に、なほいと心憂きもの』より
~逃げることも必要~
人間関係で本当に悩んでしまったら逃げることも必要だと考えています。嫌いな上司の為に、うつになる必要なんてないんです。
今の日本社会を見て、退職を逃げなどと言って否定する人は時代に乗り遅れているだけです。あなたに共感してくれる人、愛してくれる人は別の所に必ずいます。
枕草子は本当に奥が深い作品です。
もっと枕草子の世界を覗いてみたい方は、こちらからお好みの記事をご覧ください。
では、今回はこの辺で!ありがとうございました。