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拓麻呂です。
暑い夏には欠かせない『かき氷』。
夏祭りの風物詩『かき氷』です。
ところで、かき氷って、いつ頃からあるものだかご存知ですか?
実は、千年前から存在していたんですよ。
清少納言が食べていた『かき氷』
枕草子の記述
今からおよそ千年前にかかれた清少納言の枕草子の中に『あてなるもの』という章段があります。
『あてなるもの』とは『上品なもの』という意味で、清少納言が上品だと感じたものが列挙されています。
その中に、こんな記述があります。
削り氷に甘葛入れて新しき鋺に入れたる
(けずりひに あまかずらいれて あたらしきかなまりにいれたる)
現代風に言い換えると、このようになります。
削った氷に甘いシロップをかけて、新しい金属製の器に入れたもの(は上品だ)
この記述が、かき氷のことを言っているのではないかとされています。
少なくとも、千年前にはかき氷が存在していた証ですね。
氷やシロップをどうやって作っていたのか?
ところで千年前の平安時代に、どうやって氷を作っていたのでしょうか?
現代であれば、冷凍庫で簡単に作れる氷ですが、昔はそうはいきません。
冬の間に出来た氷の塊を涼しい山麓の洞窟や、地下に穴を掘った『氷室(ひむろ)』なる場所に保管していました。
そして、夏になったら引っ張り出してきて、かき氷にして食べていたそうです。
一方、シロップはどうやって作っていたのでしょうか?
当然ながら、現代のレモン味やメロン味、ブルーハワイといったものはありません。
蔓草を煮詰めて抽出した甘い液体をかけていました。
ハチミツのような金色をしたシロップだったそうです。
今も昔も、涼を求めてかき氷を食べていたと思うと、なんだか不思議な感じがしますね。
清少納言が感じた上品なもの
清少納言は、かき氷の他にも『あてなるもの(上品なもの)』としていろいろ列挙しています。
ちょっと分かりづらい記述もあるので、かなり砕けた表現にしてみます。
- 薄紫色の服に白い服を重ねたもの
- 鳥の卵
- 水晶の数珠
- 藤の花
- 梅の花に雪が降りかかった様子
- 小さい子供がイチゴを食べている姿
どうでしょうか?
『鳥の卵』と『小さい子供がイチゴを食べている姿』は、あまりピンと来ませんが、こういう感性が清少納言の魅力であり、枕草子の面白さの一つでもあるのかなと思います。
他の枕草子に関する記事は、コチラをご覧ください。

では、今回はこの辺で!
ありがとうございました。