紫式部日記の成立時期はいつ?年代や執筆期間について図表付で解説

平安時代の女性たち

紫式部日記。源氏物語の作者で有名な『紫式部』が執筆したもうひとつの文学作品です。

 

紫式部日記は、清少納言への辛辣な評価が書かれていることでも有名ですが、その成立年代や時期はいつ頃だったのでしょうか?またどのような執筆意図があったのでしょうか?

 

この記事では、紫式部日記の成立時期や編集期間に関して、図表も交えながらわかりやすく解説していきます。

 

スポンサーリンク

紫式部日記の成立時期と執筆期間

まずは、紫式部日記の成立に関する内容をまとめた図表をご覧ください。

紫式部日記が完成したタイミングは明確にはわかっていません。一般的には、源氏物語を書き終えてから紫式部日記をまとめたと見られており、おおよそ寛弘7年(1010年)の夏から秋にかけてまとめ上げたと考えられています。

 

紫式部日記によると、寛弘5年(1008年)に宮中で源氏物語の製本作業が行われたと思われる記述があり、この段階で源氏物語は完成に近い状態だったと推測できます。その後に源氏物語のラスト(宇治十帖)を書き終え、寛弘7年(1010年)の6月中旬に源氏物語全編の執筆が完了し、間もなく紫式部日記の編集を開始したと見られています。

 

なので、紫式部日記の成立時期は『寛弘7年(1010年)7月』と考えられているのです。

なお、旧暦の7月なので現在の7月とは違い、おおよそ夏の終わり~初秋にかけての季節となります。

 

このように、紫式部日記はわずか1ヶ月たらずでまとめ上げたのですが、短期間に全てを書いたわけではなく、以前から書きためたものがあったのではないかと推定されています。

 

紫式部日記に書かれている内容と時期

紫式部日記は、寛弘5年(1008年)秋の出来事(紫式部が仕えた彰子が出産間近の状況)から始まり、寛弘7年(1010年)の1月15日(敦良親皇の出産50日のお祝い)までの出来事が書かれています。

つまり、おおよそ1~2年間の宮中での出来事が書かれています。

 

ただし、寛弘5年(1008)の出来事には大きく紙幅が割かれていて、寛弘6年(1009年)についてはあまり書かれていません。(寛弘7年(1010年)も少ないですが、この年の1月15日で日記が終わっているので寛弘7年が少ないのは仕方ない)

 

では、他に何が書かれているかというと、いわゆる『消息文』と言われる手紙風の内容が書かれています。この消息文部分の代表が、同僚の女房たちについて書かれた部分で、和泉式部赤染衛門などの人柄や和歌の作風などを批評しています。

その中でも特に有名なのが、清少納言について書かれた部分で、相当辛辣なコ評価をくだしています。紫式部日記で最も有名な部分と言っても過言ではありません。

 

紫式部の凄まじい清少納言批判を含め、紫式部日記の内容はコチラの記事にまとめましたのでご覧になってみてください。

紫式部日記の内容やあらすじ解説!清少納言について書かれた面白日記
...

 

紫式部日記が書かれた背景

紫式部日記が書かれた理由についてはハッキリとはわかっていませんが、彰子の出産記録としての意図が多分に含まれていると思われます。

 

彰子は時の権力者『藤原道長』の娘で、天皇のお后様です。彰子が天皇の子供を産み、その子が天皇になれば藤原道長は天皇の祖父(外祖父)になり権力が手に入ります。なので、道長としては彰子の出産は一大事であり、記録に残しておきたかったとも考えられます。

 

そこで、『源氏物語を書いた実績のある紫式部に彰子の出産記録を書かせた』といった政治的意図もあったのかもしれません。そもそも、紫式部が宮仕えを始めた理由も、源氏物語を書いていた紫式部に藤原道長が目を付けたからでした。

 

一方で、清少納言への批判に代表される消息文は、紫式部の個人的な感情も含まれていると思われ、あまり公にできない内容になっています。なので紫式部日記は公的な日記なのか私的な日記なのか判断しかねるのもまた事実であり、そこが面白みでもあるのです。

 

なお、清少納言に対しての酷評の真意はコチラの記事で詳しく解説しています。

紫式部と清少納言は仲が悪い?紫式部日記の清少納言評と二人の関係
...

 

紫式部日記の成立年代まとめ

以上、紫式部日記の成立時期や背景でした。

  • 紫式部日記の成立時期は『寛弘7年(1010年)の旧暦7月頃』。
  • 以前から書きためていたと思われる日記を1ヶ月弱でまとめた。
  • 書かれている内容は、寛弘5年(1008年)秋~寛弘7年(1010年)の1月15日までの出来事と消息文。
  • 執筆の背景には政治的意図と、紫式部の個人的な感情の両方が含まている可能性がある。

 

紫式部日記からは紫式部の人間味が感じられ、源氏物語とはまた一味違った面白さがあります。清少納言や和泉式部への批評は、特に注目ですのでぜひ1度読んでみていただければと思います。

 

【初心者向けオススメの紫式部日記】

 

【紫式部日記全文+現代語訳】

清少納言vs紫式部!千年前のライバルを徹底比較
有名な人物からマニアックな人物まで!平安時代の才女特集
清少納言の枕草子特集
有名戦国大名の家臣団を一覧でご紹介
スポンサーリンク
平安時代の女性たち
スポンサーリンク
拓麻呂をフォローする
日本の白歴史