僕は、右手に持った『信長の野望』をぼんやりと見つめていました。
『歴史のゲームなんて・・自分には合わないよな』
こう思いながらも、無意識にケースを開け説明書を取り出す僕。
特に深くも考えず、説明書をペラペラめくってみるものの・・・
全然意味がわからん!
毛利元就との出会い
僕は歴史の授業が大っっっっ嫌いでした。
歴史なんて勉強して何の意味があるのか?
いつも思っていました。
教科書の偉人たちは酷い有様・・・。
髪がフサフサになった弘法大師 空海
両津のように眉毛のつながった源頼朝
目が三つになり天津飯になってしまった足利義満
苔でも生えたかのように髭が濃くなった織田信長
RPGのラスボスのような角が生えた西郷隆盛
歴史の授業中は落書きしてるか、居眠りしてるか、あるいはスラムダンクを読んでるか・・
こんな僕が『信長の野望』なんかやっても楽しめっこない・・。
そう思い説明書をしまい、そっとケースを閉じようとしたその時、同じ部屋にいた友人がこう言いました。
『やってみる?』
僕がこの時どう反応したのかは覚えていません。
気が付いたら『信長の野望 覇王伝』のオープニングムービーが始まっていました。
当時としては、やや稚拙なムービーでした。
それもそのはず、発売からだいぶ時が経っており最新作でも何でもない『信長の野望 覇王伝』。
そりゃ、100円の投げ売りワゴンで売ってるわな・・そう思った記憶があります。
ちなみに、このブログでちょいちょい使っているこのアイキャッチ画像。
実は『信長の野望 覇王伝』のオープニングのワンシーンをイメージして作りました。
そうこうしている内に友人がスタートボタンを押し、ゲームが始まりました。
昔の『信長の野望』はシミュレーションゲームにも関わらず、複数人プレイが出来る謎仕様。
特にやる気もなかった僕でしたが、友人は問答無用で2人プレイを選んでいました。
PSのコントローラーを握りしめ、ボケーっと20インチくらいのテレビ画面を眺めている僕に構うことなく、ゲームは進行していきます。
ゲームがスタートする年代は西暦1555年。
何が何だか分からない内に、いよいよ自分が操作する戦国武将を選ぶ時がやってきました。
とは言え、歴史嫌いな僕が当時知っていた武将と言えば、
織田信長
豊臣秀吉
徳川家康
武田信玄
上杉謙信
伊達政宗
こんなもんです。
映画やマンガでも、主人公より脇役が好きになりやすい僕としては、信長、秀吉、家康は選択肢にありませんでした。
『よし、伊達政宗にしよう!』
そう思って武将の名前を下にスクロールしていくも・・・
『あれ??伊達政宗いないじゃん???』
じゃあ武田信玄は?
いない???
ならば上杉謙信は?
いない??????
今なって思えば、この時選んだ年代は1555年・・・
伊達政宗は生まれてませんでした!
そして武田信玄と上杉謙信、実は彼ら、いたんです。ただ名前が違った・・・
1555年当時、武田信玄は『武田晴信』、上杉謙信は『長尾景虎』。
しかし、当時の僕はそんなことは露知らず、『いないなら別にいいや』と思い、適当に武将名をスクロールしていました。
すると・・・・・・ある一人の名前が目に飛び込んできたのです。
『毛利元・・就?』
『もうりもと・・・??』
『もうりもと・・なり』
『毛利元就!』
聞いたことある!!
たったこれだけの理由で『毛利元就』を選択したのでした。
この毛利元就との出会いが、僕の人生を大きく変えていくことになるとは、この時微塵も思っていませんでした。