クシナダ姫を救え!スサノオvsヤマタノオロチ!古事記に記された日本神話

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『若者にこそ日本神話を知ってほしい』拓麻呂です!

アマテラスとの誓約に勝利し、調子に乗り過ぎたスサノオは高天原を追放されてしまいました。

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そんなスサノオは高天原を後にし、地上世界に向け出発しました。

その道中、オオゲツヒメとひと悶着ありつつも、スサノオは一路、地上世界を目指します。

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~激闘?スサノオvsヤマタノオロチ~

出雲国に降り立ったスサノオ

紆余曲折ありつつも、スサノオは何とか地上世界に辿り着きました。

この時、スサノオが降り立った場所は出雲国(いずものくに、現在の島根県)、斐伊川(ひいがわ)の上流と言われています。

出雲に着いたはいいものの、スサノオは腹が減っていました。

道中、食べ物にあり付けるチャンスはありましたが、オオゲツヒメを斬り付けるという暴挙に及んでますからね・・・

その時、斐伊川の川上から何か流れてきました。

箸です。

この都合よく流れてきた箸を目撃したスサノオは、川上に誰か住んでいると思い、上流に向かいます。

なお太古の昔、直接口につける箸は、その人の唾液が付着し使用者の『気』が入るとされていた為、基本的に使い捨てにしていたようです。

余談ながら、これは『穢れ(けがれ)』を嫌うという古代日本から続く文化の一種です。現代日本人も無意識のうちに、この『穢れ』を避けて行動しており、現在でもその名残が残っています。

例えば、あなたの家にある食器類。おかずを入れる皿などは、家族共有ですよね。おかずを入れる食器類は、箸で掴んで口に運ぶので直接口には触れません。

しかし箸を始めとした、ごはん茶碗、味噌汁茶碗、湯のみ茶碗など、使用者が直接口を付ける食器類は『お父さんの茶碗』、『僕の茶碗』と言ったように個人の物が用意されていると思います。これが、唾液はその人の『気』がはいるという『穢れ』を嫌う文化の名残と言われています。

クシナダ姫との出会い

スサノオが上流に向って歩いていると、悲しそうにしている一組の老夫婦に出会いました。その老夫婦の間には、若い女性の姿もあります。

不思議に思ったスサノオは、老夫婦に話しかけます。

『あなたたちは、どなた様ですか?どうして泣いているのですか?』

老夫婦は答えます。

『私たちはアシナヅチとテナヅチ、この娘は、クシナダ姫と申します。私たちには八人の娘がおりましたが、毎年ヤマタノオロチがやってきて一人ずつ食べられてしまいました。残るのはこのクシナダ姫のみ・・・今年も、もうすぐヤマタノオロチがクシナダ姫を食べにやってくるのです。』

『ヤマタノオロチ????』

スサノオはヤマタノオロチについて尋ねます。すると老夫婦は、その姿をこのように述べました。

『目はホオズキのように赤く、頭が八つ、尻尾も八つ、その体にはコケや杉の木が生えています。その大きさは八つの谷、八つの峰に渡り、腹には血が滲んでいます』

八つの谷、八つの峰に渡る大きさ??・・・・つまり山が八つ分の巨大な化け物。

ちょいとデカすぎやしませんかね・・

しかし、スサノオは臆することなく、突然こんな事を言い始めました。

『クシナダ姫と結婚させてください!!』

びっくりした、老夫婦は切り返します。

『あんたは誰なんですか??』

そう言えばスサノオは自分の名前を名乗っていませんでした。

『失敬、失敬。私はアマテラスの弟スサノオである。たった今、高天原を追い出されてきたところだ!』

自信満々で自己紹介するスサノオに老夫婦は答えます。

『アマテラス様の弟君とは、恐れ多い・・・是非とも娘をもらってください』

このようにして、さらっとクシナダ姫を妻に迎えたスサノオは、ヤマタノオロチを迎え撃つことになりました。

無茶苦茶な展開です・・・。

あっさり勝利するスサノオ

クシナダ姫と結婚し、ヤマタノオロチを退治することになったスサノオ。

とは言え、相手は山八つ分の巨大な化け物です。まともに戦って勝てる相手ではありません。

まず、スサノオはクシナダ姫を櫛に変えて自分の髪に刺しました。

なおクシナダ姫を漢字で表記すると『名田比売』。この辺は完全にダジャレです。

そしてスサノオはある作戦を立て、老夫婦に大量の酒を作るように命じました。要するにヤマタノオロチに酒を飲ませ、酔っぱらっている所に襲いかかる作戦です。

老夫婦が作った酒を八つの器に分けて配置し、いよいよスタンバイ完了。スサノオはヤマタノオロチが現れるのをジッと待ちます。

しばらくすると、ヤマタノオロチが姿を現しました!老夫婦の言っていた通り、とんでもない大きさの化け物です。

つーか、こんな作戦に引っかかるわけないだろう!!いやいや、そんなことはありません。引っかかるんです。

意気揚々と現れたヤマタノオロチは、なんの疑いもなく、用意された酒をグビグビ飲み始めたのです。

そして、酔っぱらったヤマタノオロチは、すぐに眠り込んでしまいました。

タイミングを見計らっていたスサノオは、ヤマタノオロチが眠った事を確認し、のこのこ出てきて十拳剣(とつかのつるぎ)で斬り付けました。

こうして、スサノオはヤマタノオロチを退治することに成功したのでした・・・。

なんの苦労もすることなく・・・・・・。

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ヤマタノオロチ神話で大切な3つのこと

これがヤマタノオロチ神話の一部始終です。

激しい激闘の末、クシナダ姫をゲットするサクセスストーリーかと思いきや、さらっと結婚し、眠っていたヤマタノオロチを斬り付けて、あっと言う間に勝利してしまいました。

日本神話には無茶苦茶な話が多いのですが、このエピソードは特に顕著です。

このように、ストーリーだけ追っかけると無茶苦茶なヤマタノオロチ神話ですが、注意したい事が3つあります。

最後にその3つをご紹介して、今回の記事を終わりたいと思います。

ヤマタノオロチは巨大な蛇

一つ目はヤマタノオロチの見た目について。

古事記は、眠っているヤマタノオロチを『眠っている蛇』と記しています。

ヤマタノオロチと言うと首がたくさんある『龍』のような姿を想像しがちですが、実際は巨大な蛇の化け物だったのです。

日本書紀では『八岐大蛇』ですしね。

なお、ヤマタノオロチとは、戦いの舞台となった『斐伊川』のことではないかと言った説もあります。

ヤマタノオロチの尻尾から出てきた三種の神器

二つ目。

スサノオはヤマタノオロチを斬った時、尻尾も切断しています。

この尻尾から出てきたのが、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)。八咫鏡と八尺瓊勾玉とともに三種の神器に数えられる、日本史における重要な宝物です。

なおこの天叢雲剣は、現在も熱田神宮の御神体としてお祀りされています。

※厳密には源平合戦に敗れた平家が三種の神器と共に海へ身を投げた際に、一度剣は失われています。その後、鏡と勾玉は発見されたそうですが、剣だけは見つからなかったと伝わっています。よって現在熱田に祀られている剣はオリジナルではない可能性があります。

日本で最初の和歌を詠んだスサノオ

三つめはスサノオの和歌。

古事記には、ヤマタノオロチを退治した後にスサノオが詠んだ和歌が記されています。

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに

八重垣作る その八重垣を

(やくもたつ いずもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを)

土佐日記などの古典で有名な紀貫之(きのつらゆき)は、これを日本で初めて詠まれた和歌であると言っています。

万葉集や古今和歌集などに代表される日本の伝統文化『和歌』。その和歌を初めて詠んだのがスサノオなのです。

いよいよ国譲り神話へ

このヤマタノオロチ神話をもって、アマテラスとスサノオが中心の神話は終了します。

まぁ、この後もちょいちょい登場するのですが、話の主役は大国主神(おおくにぬしのかみ)へと移行します。

そして、この大国主のエピソードが、日本神話の大きな謎のひとつ『国譲り神話』へと繋がっていくのです。

国譲り神話は、古代日本の謎が隠されている非常に重要なお話です。興味のある方は是非、国譲り神話にも触れてみてください。

日本神話とは、どんな物語なのか?もっと気になる方はこちらにご入場ください。

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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