群馬県にあった東日本最大の古墳!全長210mの太田天神山古墳

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実践編 歴史の体験談

群馬県太田市にある天神山古墳。

 

この古墳は全長210mもあり、東日本で最大の前方後円墳と言われています。

 

僕は群馬県民ですが、残念ながらこの事実を知っている人に出会ったことがありません。

 

世界最大のお墓と言われる大阪の大仙陵古墳(486m)に比べると半分ほどの大きさですが、それでも210mはやっぱりデカいです。

 

そして、何と言ってもこの天神山古墳は立ち入りが制限されていません。と言うのも、西日本にある巨大古墳のほとんどは、皇室に関係するお墓ということで宮内庁により立ち入りが禁止されています。天神山古墳は200m級の巨大古墳でありながら立ち入り制限が無く、自由に上って歩き回ることができます。

※とは言えお墓であることには変わりないので、節度ある行動を心がけましょう。

 

今回は210mの東日本最大である前方後円墳の潜入レポートをお届けいたします。

 

 

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~東日本で一番大きい古墳に潜入開始~

~いざ巨大古墳へ、その前にちょっとした注意事項~

まずは駐車場からの遠景。写真だと分かりづらいですが、100m以上は離れた場所から撮影しています。このくらい離れていないとデカすぎてカメラに収まりません・・・。なお、向かって左が前方部、右が後円部です。横から見ても全然わからないですね。

 

 

古墳に近づいてみました。

 

一応、登るための簡素な道が整備されていますので、ここから潜入してみましょう。と言うかここ以外から登るのは結構大変だと思います。結構な急勾配で、お世辞にも整備された環境とは言えません。足元も悪いです。スニーカーなどの運動靴で来ることをオススメします。サンダルやヒールだとなかなか大変だと思います。

 

 

古墳でもお城でも、日本の歴史が残した大切な遺産は大切にしていきたいですね。時折、お寺の境内に落書きするような輩がニュースになりますが、絶対にやめましょう。

 

 

・・・こんな注意書きもありました。彼らが狂暴化する夏の終わりから秋口に来るのは避けた方が良いかもしれません。この古墳自体ちょっとした雑木林になってますので、夏場は他の昆虫も発生していると思われます。虫嫌いな方は冬場に来ることをオススメします。

 

 

~潜入開始~

古墳の目の前までやってきました。この鳥居をくぐって潜入開始です。

 

天神山古墳のことを理解するため、左手の掲示板にも目を通しておきましょう。

 

ここで再度確認。ここはお墓であることを忘れずに・・。一礼して鳥居をくぐります。

 

 

鳥居をくぐると奥に何やらお社が見えてきました。鳥居があるということは、この古墳には神様がお祀りされているという事です。埋葬者へのご挨拶も兼ねて、まずはお参りをしましょう。

 

神社参拝の作法に通り、二礼、二拍手、一礼。

 

なお、このお社から振り返ってみると写真のように鳥居から直線に参道が続いています。この鳥居とお社は古墳のほぼ中央に位置しており、お社に向って左手が前方部、右手が後円部となっています。

 

ここで、若干魔が差してしまいました・・・このお社の内部が気になってしまったのです。あまり感心できる行為ではないかもしれませんが、お社の格子の隙間から撮影してみました。奥の中央部に一体の像が見えます。恐らくあの像がご神体(神様の御霊が宿っているもの)であると思われます。ちょっと不気味な感じです・・・。

 

お社の傍らには、小さな祠もありました。

 

 

~まずは前方部へ~

まずは、お社に向って左手の前方部へ向かってみます。

・・・この辺りから、だいぶ足場が悪くなってきますのでご注意を。奥に向って地面がうねっているのが、お分かりいただけるでしょうか?天神山古墳は墳丘は三段構造だったようですが、かなり形が崩れています。約千五百年前に築造された天神山古墳ですが、この前方部の崩れが時の流れを感じさせ、古代ロマンに浸れるのです。

 

 

~最大の見どころ後円部へ~

次に後円部へ向かいます。

この写真は古墳のちょうど真ん中あたりから、後円部を撮影したものです。写真だと分かりづらいかもしれませんが、結構な坂になっていました。後円部にはこのような斜面を登っていく必要があります。

 

後円部頂上からの眺め。結構な高さがあります。奥に広がる家並みを見ていただけると、その高さがお分かり頂けるかと思います。二階建て家屋を見下ろせるくらいの高さはありました。なお天神山古墳は過去に盗掘された痕跡があり、後円部頂上がやや窪んでいます。

 

後円部中央にはこのような石碑があります。天神山古墳は竪穴式であることから、恐らくこの真下に石室があるものと思われます。つまり、この古墳の主が眠っているのです。

 

そしてこの石碑の後ろには、鬱蒼と茂る木々のなかでも、ひときわ存在感のある一本の木がそびえていました。他の木に比べ太めで、石室の真上から生えているその姿は、埋葬者の生まれ変わりのようでもあり、この古墳と埋葬者を守護するご神木のようでもありました。

 

 

~毛野国の実力者が眠る天神山古墳~

210メートルの巨大さを誇る東日本最大の天神山古墳。この古墳にはヤマト政権と強い繋がりを持つ毛野国(けぬのくに、現在の群馬県から栃木県)を支配した、強力な首長が眠っているとされています。

 

また群馬県は、全国でも有数の古墳大国であり、西日本に匹敵する強大な勢力が存在していたことに疑いの余地がありません。

 

しかしながら、これだけの巨大古墳でありながら、西日本に比べあまり注目されることもなくお世辞にも整備されているとは言えません。もっと観光資源として地域振興に活用出来そうですが、天神山古墳は大きく注目されることなく、千五百年の時を過ごしてきました。

 

しかしながら注目されてこなかったが故に、自然による風化や過去の盗掘跡がそのままになっており、千五百年という長大な時の流れを感じさせてくれるのです。

 

全国有数の巨大古墳でありながら、これといった整備もされず見学も自由にできる天神山古墳は、千五百年前の歴史ロマンに浸れる身近な巨大古墳として、今なお大きな存在感を示し続けています。

 

 

余談 ~天神山古墳の駐車場と周辺施設~

今回ご紹介した天神山古墳ですが、駐車場の場所が非常にわかりにくいです。なので最後に駐車場の場所をお伝えします。

 

天神山古墳の南側には陸橋があり、東側の交差点から陸橋に向います。そして陸橋を登る直前に陸橋下に繋がる脇道があります。その脇道を進むと線路があり、その線路沿いに駐車場があります。陸橋から駐車場を見下ろすと下の写真のような立地関係になりますので、車で訪れる際は参考にしてみてください。この右の方角に天神山古墳があます。

なお、西側から陸橋下に侵入すると踏切で遮られ駐車場にだどり付けませんのでご注意ください。

 

周辺には徒歩圏内にコンビニや牛丼店、ファーストフード店が密集していますので、古墳散策後の腹ごしらえにも困りませんよ。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。