竹取物語。
光り輝く竹から生まれた女の子が、三ヶ月という短期間で麗しい乙女に成長し、5人の貴族から求婚されるも全て断り、最後は月に帰っていく物語。
現在では、おとぎ話『かぐや姫』としても知られ、世界最古のSF小説とも言われています。
ところで、この物語の主人公『かぐや姫』とは、一体何者なのでしょうか?
この記事では、神秘に包まれた謎の女性『かぐや姫』の正体をお伝えします。
かぐや姫のモデル?
実は、かぐや姫のモデルになったと思われる女性が、日本神話(古事記)に登場します。
第十二代 垂仁天皇(すいにんてんのう)に嫁いだ女性の中に『迦具夜比売命』という人物がいます。『迦具夜比売命』は『かぐやひめのみこと』と読みます。
名前だけみれば、まさしく『かぐや姫』ですね。
とは言え、これだけだと単なる偶然かと思うのですが、案外そうでもありません。
『迦具夜比売命(かぐやひめのみこと)』の父親は、『大筒木垂根王(おおつつきたりねのみこ)』と言います。そして『大筒木垂根王(おおつつきたりねのみこ)』の母親は、『竹野比売(たかのひめ)』です。
つまり『迦具夜比売命(かぐやひめのみこと)』のお父さんが『大筒木垂根王(おおつつきたりねのみこ)』。
『迦具夜比売命(かぐやひめのみこと)』のお婆ちゃんが、『竹野比売(たかのひめ)』となります。
まず、お婆ちゃんの『竹野比売(たかのひめ)』には、分かりやすく『竹』の字が使われています。
そして、『大筒木垂根王(おおつつきたりねのみこ)』の『大筒木』と『垂根』いう部分に注目してみましょう。
まず、竹は筒状の木です。そして、竹の中には枝が垂れて地面に接地することで、根に変化する品種が存在します。この品種を『垂根』と言います
つまり、竹に関わりの深い名前の祖母と父を持つ女性、それが『迦具夜比売命(かぐやひめのみこと)』です。
これをただの偶然と捉えるか、あるいは『かぐや姫』のと何らの関りがあると捉えるかは人それぞれだと思います。ですが、僕は何かしらの因果関係があって、かぐや姫のモデルになった可能性も捨てきれないのではないでしょうか。
時折、『かぐや姫は宇宙人だった』なんていう説もありますが、それよりはよっぽど現実的なのではないかと思います。
実在した竹取物語の登場人物
現在、広く知られている『かぐや姫』の昔話は、『竹取物語』という古典が原本になっています。『今は昔、竹取の翁といふ者ありけり』という冒頭をご存知の方もいらっしゃるのではないかと思います。
竹取物語がいつごろ書かれたのはハッキリしていませんが、おそらく平安時代の初め頃(1200年~1100年くらい前)ではないかと言われています。作者も分かっていません。
有名なところでは、紀貫之(きのつらゆき)、菅原道真(すがわらのみちざね)あたりが作者なのでは?という説もあります。
そんな謎だらけの竹取物語ですが、実在の人物が作中に登場しています。
その人物は、かぐや姫に求婚する5人の貴族の内の3名。
- 阿倍御主人(あべのみうし)
- 大伴御行(おおとものみゆき)
- 石上麻呂(そのかみのまろ)
そして、残りの2人にもモデルが存在したという説もあります。
- 車持皇子(くらもちのみこ)のモデルは『藤原不比等(ふじわらのふひと)』
- 石作皇子(いしづくりのみこ)のモデルは『多治比嶋(たじひのしま)』
この5名は、飛鳥時代末期~奈良時代初期くらいの人物です。
竹取物語とは、完全な創作なのか?はたまた、何かしらの真実を投影したものなのか?かぐや姫とは、非常に謎多き物語なのです。
昔話の真実
以上、かぐや姫のモデルと竹取物語の裏話でした。
竹取物語は、紫式部が書いた源氏物語の中で『日本で最も古い物語』とされています。
源氏物語でそう言っているので、少なくとも紫式部が生きた平安時代の中期には一般に流布していたと思われます。
現代に伝わる昔話って、荒唐無稽なおとぎ話という訳ではなく、なにかしらの真実が隠されていることが多いです。そういった真実を探してみるのも、昔話の楽しみかたのひとつなのではないかと思います。
『桃太郎が鬼退治をした本当の理由!』、『金太郎は実在した!』『かちかち山は恐ろしいホラーだった』などなど、他の昔話の裏話は下のリンクからご覧ください。
【桃太郎が鬼退治をした本当の理由!】
【金太郎は実在の人物だった】
【かちかち山は恐ろしいホラー話だった】