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拓麻呂です。
作家の司馬遼太郎さんが、現代に生きる僕たちへ残したエッセイ『21世紀に生きる君たちへ』
その中で、司馬さんはこのようなことを書き残しています
私の人生は、すでに持ち時間が少ない。例えば、21世紀というものを見ることができないにちがいない。
君たちはちがう。
21世紀をたっぷり見ることができるばかりか、そのかがやかしいにない手でもある。
司馬さんは1996年に亡くなった為、この言葉の通り21世紀を見ることは叶いませんでした。
そんな司馬さんが、21世紀に生きる僕たちに向けて残したエッセイ『21世紀に生きる君たちへ』
このエッセイには現代の日本人が忘れかけている本当に大切なことが詰め込まれています。
この記事では『21世紀に生きる君たちへ』のレビューをお届けしたいと思います。
21世紀に生きる君たちへ
司馬遼太郎さんからのメッセージ
司馬さんと言えば、膨大な史料を読み込んで書かれた壮大な長編歴史小説が真骨頂ですが、晩年には多くのエッセイを発表しています。
その中の一つが『21世紀に生きる君たちへ』です。
中身はとても短く、15分もあれば読み終わってしまうくらいのページ数です。
21世紀を見ることが出来なかった司馬さんが、多くの歴史に触れてきた経験から紐解く人間の本来あるべき姿。
21世紀と言う未来へつなげる為の、20世紀の反省すべき点。
人間はあくまで自然の中の一部であり、自然に依存して生きているということ。
その事実は、21世紀になっても変わらないこと。
しかしながら、20世紀は自然へ依存しているという事実を、人類が少々おろそかにしてしまったこと。
そして、科学技術の進歩により、人類が自然に対して威張り散らした20世紀は終わりを迎え、21世紀は本来あるべき姿に戻っていくのではないかと言うことを、司馬さんは示唆しています。
今まさに、21世紀を目にしている僕たちは、司馬さんに対し21世紀をどう伝えるべきなのか?
司馬さんにとっては未来だった21世紀は素晴らしい日本になっているのか?
今の日本を支えている僕たちは、20世紀と言う過去から何を学び、そして21世紀後半、22世紀に何を伝えていくべきなのか?
短いエッセイながら、そんなことを考えさせられる1冊です。
司馬さんはこのエッセイを、21世紀を担う子供たちに対して残したように想います。
ですが、21世紀を生きる大人にこそ、読んで欲しい一冊であると僕は思っています。
現代人が忘れかけている大切なことが詰め込まれているからこそ・・・
次の未来を担う子供たちにメッセージを残していくべき大人たちにこそ・・・
この一冊は21世紀に生きる僕たち大人が、まずは手に取ってみる必要があると言えます。
ちょっとでも興味のある人には、ぜひ手に取って頂きたい一冊です。
いろいろ考えさせられるとともに、心が豊かになるエッセイですよ。