源氏物語と枕草子の共通点!比較で分かる千年読まれる理由とは?

清少納言と紫式部

今からおよそ千年前に書かれた二つの文学作品。

 

ひとつは源氏物語。
作者は紫式部。

もうひとつは枕草子。
作者は清少納言。

 

日本が世界に誇る二つの女流文学は、なぜ千年の月日が流れても、今なお人々に愛され読み継がれてきたのでしょうか?

 

歴史的な価値があるから?内容が面白いから?
これらも理由のひとつですね。

 

しかし、源氏物語と枕草子にはもっと大切な千年愛される理由が存在します。

 

それは『情緒的価値』です。

 

ふたつの文学作品を比較することで見えてくる情緒的価値。
これこそが、源氏物語と枕草子が千年愛され続けてきた最大の理由だったのです。

 

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源氏物語と枕草子が千年読み継がれてきた理由

情緒的価値とは?

では、源氏物語と枕草子に共通する『情緒的価値』とは何なのでしょうか?

 

情緒的価値とは、その人の考えであったり、哲学であったり、美学であったり・・
つまり、人が内面に持つ『想い』ですね。

 

この『想い』に人々は共感を覚えます。

 

例え千年の月日を隔てようとも、人々に共感され続けてきたからこそ、源氏物語と枕草子は今なお色褪せていないのです。

 

では、現代人にも訴えかける『共感』とは一体何なのでしょうか?

 

人間の不変の真理

源氏物語と枕草子が現代人にも語り掛ける共感。

それは『千年前から全く変わることのない人間の不変の真理』です。

 

現在、源氏物語は約20カ国の言語に翻訳され、世界中の人々に親しまれています。
枕草子は日記やエッセイと言った枠組みを超え、世界最古のブログとまで言われています。

 

千年の時が経とうとも、国や文化が違おうとも、言語や宗教や違おうとも、人間が持つ不変の真理を訴えかけているからこそ、源氏物語と枕草子は人々の共感を呼び、今なお愛され親しまれているんです。

 

では、源氏物語と枕草子が現代人にも共感される不変の真理とは、一体どんな内容なのでしょうか?

 

源氏物語が語り掛ける不変の真理

源氏物語の内容。
それは主人公 光源氏の恋物語です。

 

光源氏は人生で出会った様々な女性たちと恋に落ち、女性を想う感情を燃え上がらせます。
また女性たちも光源氏を想い、嫉妬や憎悪、悲しみや喜びなどの様々な感情を巡らせています。

 

この光源氏自身や、彼を取り巻く女性たちの様々な感情こそ正しく情緒的価値。

つまり源氏物語が持つ情緒的価値ちは『恋愛感情』です。

そんな恋愛感情には、絶対変わる事のない不変の人間心理があります。
そこに世界中の人々は共感し、光源氏や彼を取り巻く女性たちを、より身近に感じているのです。

 

そこを見事に突き、情緒的価値を千年の長きに渡り与え続けるのが源氏物語です。
源氏物語とは、光源氏への共感、源氏を取り巻く女性たちへの共感、そして源氏物語への、紫式部への共感。

 

 

紫式部
紫式部

どの時代にも、人種にも左右されない恋愛感情を提供し共感されてきたからこそ、源氏物語は今なお世界中の人々に愛され続けているのです。

 

枕草子が語り掛ける不変の真理

では枕草子はどうでしょう?
こちらも基本的には源氏物語と全く同じです。

枕草子は、清少納言が普段の宮廷生活中で感じたことがたくさん書かれています。つまり、彼女の感性が思いっきり発揮された作品なんですね。

 

例えばこんな感じです。(現代風の言葉に変えてあります)

 

清少納言
清少納言

とても面白い物語を読んだのですが、どうやらその続編があるらしい。

早速手に入れて、ワクワクしながら読んでみたものの・・・

そんなに面白くなかった・・・ちょっと期待しすぎたかも・・・

 

 

清少納言
清少納言

屋敷にやってきた子供が騒いでいる。

親と一緒に来ているので強く注意も出来ず、見ているしかない・・・

肝心の親は、子供を注意することもなくニコニコしてる・・・

親のしつけはどうなってんですか??

 

 

清少納言
清少納言

人の噂話は楽しくて仕方ない。

こんなに楽しいことやめられる訳がない!

 

清少納言
清少納言

酔っぱらってしつこく絡んで酒をススメてくる人・・・

憎たらしい・・・・

 

 

どうでしょうか?現代でも同じような感覚を持つことがあるのではないでしょうか?

  • 楽しみにしていた映画の続編が微妙だった経験
  • 病院の待合室で騒いでる子供を注意出来ない親
  • 何だかんだで気になってしまう芸能人のスキャンダル
  • 飲み会で酔っぱらった鬱陶しい上司

今回取り上げた例は、現代で言うとまさしく以上のような感じだと思います。

 

枕草子も源氏物語と全く同じ。

千年前から全く変わることのない不変の真理を見事に突いているんですね。

 

人は情緒的価値を求める生き物

これからの世の中は、間違いなくAI(人工知能)が活躍していきます。
AIが広まっていけば、生活はより便利になっていくことでしょう。

 

しかし、AIが与えてくれるのは『機能的価値』でしかありません。

 

いくら便利な時代がやってこようとも、そこに人間味はありません。
人間味の無いものに、人は共感できません。

 

例えばamazonの商品レビューが気になったり、yahooニュースのコメント欄が気になりませんか?

 

これは全て人の意見が知りたいから。
自分の考えに共感してほしいから。

 

完全なネット社会になりつつある現代ですら、人は人の感情を求めます。
人間が求める情緒的価値とは、人間でなければ伝える事が出来ないのです。

 

例えば、自分のカッコイイ姿をAIに見てもらいという人はあまりいないと思います。
大好きなあの子であったり、愛しい我が子であったり、親しい友人であったり、必ず『人間』という相手に見てもらいたいはずです。

 

千年の時を隔て、全く違う技術や価値観が広まっている現代社会でも変わる事のない人間心理。

そんな不変の真理を語り掛けているからこそ、源氏物語と枕草子は、時を超え、国境を超え、今なお愛され続けているのです。

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きっと千年後も変わらない・・

源氏物語と枕草子が持つ情緒的価値。
そんな共感がある限り、源氏物語と枕草子は千年後も生き残っているに違いありません。

 

今からおよそ千年前の平安時代。
紫式部と清少納言という二人の女性が書き上げた世界に誇る文学作品。

 

源氏物語と枕草子は千年先まで見通した、人が求める不変の真理を提供し続ける奇跡の文学作品。

そう言っても過言ではないのではないでしょうか?

 

 

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...

 

【主な参考文献】