十角館の殺人(小説版)の感想をネタバレなしで紹介!衝撃の一行でひっくり返る傑作ミステリー

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書評・レビュー

十角館の殺人をネタバレなしでレビュー。

 

なのですが、レビューの前にお伝えしたいことが1点あります。

「十角館の殺人」を最も楽しむ方法は、事前情報を一切仕入れずに読むことだと筆者は考えています。

 

この記事ではネタバレこそしていませんが、作品の良さを伝える都合上、どうしても筆者の感想や作品の見所について簡単に触れざるを得ません。

そういったちょっとした情報ですら、本作の楽しみを多少なりとも損ねてしまう可能性があります。

 

なので、事前情報なしで「十角館の殺人」を味わい尽くしたい方は、この段階で下記のリンクに飛んで購入してしまうのがオススメです。

 

ということで、以下より「十角館の殺人」のネタバレなしレビューを開始します。

本書のポイントをお伝えすると・・・。

十角館の殺人のポイント
衝撃の一行で全てがひっくり返る大どんでん返し。一気読み必至のミステリ小説の傑作!

です。

 

この記事では、「十角館の殺人」の大まかな展開や見所、オススメできる人できない人、作品の特徴など、ネタバレを避けつつご紹介していきます。

また、本書を十分に味わいつくすための注意事項などもお伝えしますので、これから読んでみようか悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。

 

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書籍データ

書名:十角館の殺人

著者:綾辻行人さん

項数:498ページ(文庫本/新装改訂版)

ジャンル:本格ミステリー

【あらすじ】(「BOOK」データベースより引用)
十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の七人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!’87年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

【筆者の所感】

「十角館の殺人」は、「館シリーズ」と言われるシリーズの第1作目で、作者の綾辻行人さんのデビュー作でもあります。

 

1987年に発刊されて以降、今も日本を代表するミステリ小説として、多くの人に読まれている作品です。当時の日本のミステリー界に大きな衝撃をもたらし、新本格ミステリブームを巻き起こしたと言われる傑作です。

絶海の孤島にある十角館を訪れた若者7名が次々と謎の死を遂げていく、いわゆる「クローズドサークル作品」になります。

 

また、「どんでん返し」系の作品としても有名で、終盤に明かされる衝撃の真実、そしてその真実が判明する驚愕の一行。筆者はこのたった一行を読んだ瞬間、全身に凄まじい衝撃が走り、一瞬頭が混乱してしまったほどです。ミステリを読み漁ってきた人はわかりませんが、ミステリ作品をあまり読んでこなかった方はひっくり返ると思います。(ミステリを読み漁ってきた人で十角館を読んでいない人はほとんどいないと思いますが)

 

ともかくも、日本の推理小説の金字塔とも言わる作品が「十角館の殺人」なのです。

 

こんな人にオススメ

「十角館の殺人」をおすすめしたい方を3つのポイントに絞ってお伝えします。

3つのポイント
  • 衝撃の大どんでん返しを体験したい
  • 本格ミステリを楽しみたい+ミステリ初心者の方

 

おすすめ① 衝撃の大どんでん返しを体験したい

前述の通り、「十角館の殺人」は終盤で衝撃のどんでん返しが待っています。読者の想像をひっくり返すような破壊力を秘めた一行が待っていますので、ぜひこの衝撃を体験していただきたいです。

 

筆者もミステリ系を含め数百冊は小説を読んできましたが、この記事を書いている段階で「十角館の殺人」以上の衝撃にはいまだ出会っていません。

なんとなく真相がわかってくる感じではなく、たった一行(と言うか短い一言)でいきなり衝撃を突きつけられるので、他の作品にはない独特な驚きがあるように感じます。

 

この衝撃を120%味わいたい方は、ぜったいにネタバレのサイトなどを見ないでくださいね。

 

おすすめ② 本格ミステリを楽しみたい+ミステリ初心者の方

「十角館の殺人」は日本のミステリ小説を代表する超定番作品です。本格ミステリブームの火付け役とも言われているので、ミステリ好きな方であれば読んでおいて損はないでしょう。

 

ミステリ小説が好きな方で本作が未読な方は少ないと思いますが、小説以外でも「名探偵コナン」とか「金田一少年の事件簿」など、推理ものの漫画や映像作品が好きな方も十分楽しめる内容だと感じます。

 

また、上記の理由からミステリ小説をこれまであまり読んでこなかった方にも、最初の一冊としておすすめしたいです。ミステリ小説の楽しさを十分に味わうことが出来ますので、まずは「十角館の殺人」から読んでみてください。

 

オススメできないケース

あらすじにもある通り、「十角館の殺人」ではたくさんの人物が亡くなります。

この手のミステリは、作品によっては殺害の手口が結構エグく描かれていたりするのですが、本作はそこまで残虐な描写はないかなと思います。この辺の感覚は個人差があると思うのですが、遺体などの描写が一切ダメという方には、あまり向かないかもしれません。

 

また、本作はトリックなども見所ではあると思いまが、どらかというと「驚愕の一行」でとにかく衝撃を受けるのが、本作の最も楽しいところだと筆者は考えています。

なのでミステリ小説に求めるは「トリックの巧妙さ」や「犯人の殺害動機」と言う方は、もしかしたら拍子抜けする部分があるかもしれません。

 

十角館の殺人を読む上での注意事項

「十角館の殺人」を最大限に楽しむ上で注意しておきたい部分もあるのでお伝えします。

4つの注意点
  • ネタバレのレビューを見ない
  • 新装改訂版を読む
  • 「そして誰もいなくなった」を先に読んでおく
  • 「館シリーズ」未読の場合は最初に読む

ネタバレのレビューを見ない

すてにお伝えした通り、本書を十二分に楽しむためにはネタバレは絶対に見ないでください。極端な話、ネタバレを見てから読んだ場合、楽しさ90%減です。

有名作品であるがゆえに、ネット上にもたくさんのレビューやネタバレが散らばっています。「購入しようかどうか何となくネット上をウロウロしていたら思わずネタバレを見てしまった・・・」なんてことにもなりかねません。

ネタバレしてしまうと衝撃が激減なので、ぜひともご注意ください。

 

新装改訂版で読む

本書は、1987年(文庫は1991年)に刊行されているのですが、より楽しめるような仕掛けが施され、2007年に新装改訂版が発売されました。

 

とは言え、今現在 店舗に並んでいる文庫版は大抵「新装改訂版」だと思います。

念のため、下記の画像で「新装改訂版」とわかる箇所を示したので、心配な方は参考になさってください。赤で囲んだ部分です。

「そして誰もいなくなった」を先に読んでおく

これに関しては必須と言うわけではないのですが、より「十角館の殺人」を楽しむためには一応知っておいた方が良いかな思うのでお伝えしておきます。

 

「十角館の殺人」は、アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品だと言われています。「そして誰もいなくなった」は海外古典ミステリーで、今も読み継がれている傑作です。

そして誰もいなくなった(小説)ネタバレなしレビュー!アガサ・クリスティよるミステリーの金字塔
この記事では、「そして誰もいなくなった」の大まかな展開や見所、オススメできる人できない人、作品の特徴など、ネタバレを避けつつご紹介していきます。これから読んでみようか悩んでいる方は、ぜひ参考になさってください。

舞台設定は似ているのですが、直接的に話が繋がっているわけではないため「十角館の殺人」を先に読んでも十分に楽しめます。

 

ただ「十角館の殺人」でほんの少しだけ「そして誰もいなくなった」のネタバレをしている部分があるため、もし「そして誰もいなくなった」も読もうとしている場合は、先に読んだ方がよろしいかと思います。

 

「館シリーズ」未読の場合は最初に読む

本書は「館シリーズ」の一作目にあたり、「十角館」以外にも、水車館や時計館、暗黒館など全9作品(2022年現在)が発刊されています。

 

シリーズごとで物語の直接的な繋がりはありませんが、シリーズを跨いで登場する人物がいたりするため、できれば「十角館の殺人」を一番先に読んでおいた方が良いです。

なお、十角館以降も基本的には発売順に読んでいくことをオススメします。(十角館→水車館→迷路館→人形館→時計館→黒猫館→暗黒館→びっくり館→奇面館)

 

登場人物について

本作には「海外古典ミステリ好きが思わずニヤッとしてしまう箇所」がいくつかあり、それが魅力の一つでもあります。

筆者はそこまで海外古典ミステリを読んだことがないのですが・・・それでも思わず「おっ!」と思ってしまったのが登場人物のニックネームです。

 

「エラリー・クリーン」、「アガサ・クリスティ」、「ジョン・ディクスン・カー」、「エドガー・アラン・ポー」、「ヴァン・ダイン」、「ガストン・ルルー」など、海外作品にそこまで精通していない筆者でも知っている作家さんたちの名前が、主要登場人物のニックネームとして登場します。

 

この他にも、海外ミステリ好きには分かる小ネタがちりばめられているので、海外作品に精通している方は、より楽しめるのではないかと思います。

 

「十角館の殺人」Q&A

Q:感動する作品かどうか?

A:あまり涙するような作品ではないです。ただ終わり方は結構キレイで、独特の余韻みたいなものはあります。

 

Q:読みやすさは?

A:難解な表現などもなく、非常い読みやすい作品です。小さなお子さんには難しいかもしれませんが、それ以外であれば老若男女問わずに読める作品だと思います。

 

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総評とまとめ

以上「十角館の殺人」のネタバレなしレビューでした。

 

本書はとにかく大きな衝撃を与えてくれます。そして、ミステリ小説の楽しさだけでなく、読書の楽しさをも教えてくれる傑作と言えるでしょう。未読の方にはぜひ読んでいただきたい作品です。

 

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