平安時代に絶大な権力を手にした「藤原道長」。
2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」で紫式部が取り上げられるにあたり、関係が深かった藤原道長も主要人物として登場します。
そこでこの記事では、藤原道長をしっかりと学べる本格的な書籍を7冊ご紹介します。
光る君へをより楽しみたい方や、これから視聴する際の予習などに活用して頂ければ幸いです。
①藤原道長の日記「御堂関白記」その1
藤原道長が書いた有名な日記「御堂関白記」は、道長自筆の箇所が一部残存している極めて貴重な史料です。そんな御堂関白記の中から、注目したい部分を抜粋し初心者向けに編集したのが本書です。
現代語訳はもちろんのこと、読み下し文、原文の3つが掲載されているので、あなたに好みに合わせた読み方が出来るのも良いですね。
同時代の日記としては、藤原行成の「権記」や藤原実資の「小右記」などがありますが、やはり当時の人が書いたものはリアルな迫力を感じることが出来ます。また、御堂関白記を読むと、藤原道長の権力者らしからぬとても意外な一面を知ることもできますよ。
どれにしようか迷ったら、とりあえず本書をおすすめしたいですね。
②藤原道長の日記「御堂関白記」その2
上記のビギナーズクラシックは初心者向けに一部抜粋したものなのに対し、本書は御堂関白記の全編を集録した書籍となります。その分、ボリュームが約3倍になっており、上中下の3巻構成となっているので、読みごたえが凄まじいです。
藤原道長に興味を持ち始めたら、ゆくゆくは手にすることになってしまう書籍ですので、最初からどっしりと腰を据えて御堂関白記を味わいたい方は、本書から手に取るのも有りですね。
個人的には、まずはビギナーズクラシックを読んでみて、さらに深く藤原道長を学びたくなったら本書を手にとるのが良いかと感じます。
③藤原道長を漫画で学ぶ
「活字の本を読んでいると眠くなる・・・」という方には、やはり漫画がオススメです。漫画なので視覚的にも楽しめますし、登場人物も見た目で区別がつくので、人物名を覚えるのに苦労する歴史物のストレスを軽減できるのも大きなメリットですね。
絵のタッチは好みが別れるかもしれませんが、子供から大人まで、幅広くオススメできる藤原道長の書籍です。
④藤原道長を短時間で学ぶ
本書の最大のポイントは、たった95ページしかないというところです。
その分、内容が薄いのかというとそうでもなく、藤原道長が権力を手にする以前のことや、権力を手にしてからの動向、藤原道長の政治や文化など、押さえておきたいポイントは一通り網羅されています。
短時間でサッと読みたい方には最適な一冊と言えますね。1、2時間のちょっとした空き時間を潰したい時なんかにもおすすめです。
⑤藤原道長と女性たち
今回オススメしている6選の中で、個人的に最も面白かった書籍が本書です。
藤原道長は権力を手に出来た背景には、娘の彰子や正妻の倫子の存在があり、彼女たちを避けて藤原道長の生涯を語ることは出来ないでしょう。また、平安中期は紫式部の源氏物語に代表されるような、女性たちの文学作品が数多く世に出た時代でもあり、やはり、女性の存在感が極めて大きかった時代だと言えるでしょう。
ゆえに、本書は藤原道長だけではなく、「藤原道長が生きた時代」を感じることのできる、非常に興味深い書籍となっています。
また、藤原道長に関わった女性たち(ざっと数えただけで20名以上)を、ここまで多数取り上げて、わかりやすく纏められているだけでも稀有な書籍です。
ただ、出来ることなら藤原道長とその周辺の女性たちとの相関図は、頭の中で整理できている状態で読み始めた方が理解しやすと感じます。
なお本書は、平安時代や王朝文学に関する書籍を多数執筆している川村裕子先生も必読書とおっしゃられていますので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。おすすめです。
⭐️必読書ですね。『蜻蛉日記』の時姫、養女などが登場します。
藤原道長を創った女たち:〈望月の世〉を読み直す
(服藤早苗、高松百香編著、明石書店) https://t.co/Kr3XpfLmmf— 川村裕子@『はじめての王朝文化辞典』重版!角川ソフィア文庫 (@kagekageko) October 7, 2022
⑥藤原道長の本格伝記
本書は「人物叢書」というシリーズで、数多くの人物が取り上げられてきた硬派な伝記シリーズです。藤原道長の基本をしっかり押さえておくためには必携の一冊と言えます。
ただ、平安時代や藤原道長に興味を持ち始めたばかりの方が、いきなり本書から入るとちょっと難しいかもしれないので、どちらかというと2冊目以降に手に取る書籍かなと感じます。
漫画やビギナーズクラシックの御堂関白記で、藤原道長により興味を持ち始めた後は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
なお、当ブログでも人物叢書シリーズの情報を元としている記事も多く、私も信頼している一冊です。
藤原道長おすすめ書籍6選まとめ
以上、藤原道長のおすすめ本を6冊ご紹介しました。
今回ご紹介した書籍が、藤原道長の人物像や活躍を知るための一助となれば、これに勝る喜びはありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。