ご来訪ありがとうございます。
拓麻呂です。
学生時代に受けた歴史の授業。
数々の偉業を成し遂げた聖徳太子。
いい国(1192)つくろう鎌倉幕府。
以前は当たり前だったこれらの通説を始め、今や歴史の授業内容は大きく変わってきています。
学生時代の歴史知識はもう古い!
現在の歴史の授業や通説が、どのように変わっているのか?
それをサクッと知ることの出来るオススメ書籍をご紹介します。
ここまで変わった日本史教科書
主な変わった点をご紹介
本書は旧石器時代から、戦後の高度経済成長あたりまで、つまり日本の歴史のほぼ全部を網羅しています。
なので、全てをお伝えすることは出来ませんが、その中でも有名な部分にスポットをあて、どんなことが書かれているのか要点を絞ってご紹介します。
聖徳太子はいなかった?
冠位十二階や憲法十七条の制定、遣隋使の派遣など、多くの偉業で彩られる聖徳太子。
複数人の声を同時に聞き分けることが出来た、というエピソードでも有名です。
しかし、これらの偉業が聖徳太子一人のものではないと言われ始めているのは、ご存じの方も多いのではないでしょうか?
また、現在は『聖徳太子』という名称はあまり使わず、『厩戸皇子(うまやどのみこ)』に変わりつつあるのも有名な事実です。
なぜ聖徳太子の歴史を、教科書がこのように教えるようになったのか?
その辺の事情が詳しく書かれています。
いい国つくろう鎌倉幕府?
歴史の授業に付き物である年号のごろ合わせ。
その中でも最も有名なのが『いい国(1192)作ろう鎌倉幕府』ではないでしょうか?
1192年 鎌倉幕府の成立です。
しかしながら、この語呂合わせも過去のものになりつつあるのをご存じでしょうか?
昨今では『いい箱つくろう鎌倉幕府』というのが一般的になっています。
鎌倉幕府の成立は1192年。
これは、すでに古い歴史の知識。
今は『いい国』ではなく『いい箱』になりつつあるのです。
あの有名な肖像画は源頼朝じゃない?
引き続き、鎌倉幕府に関する話題です。
コチラの肖像画は、鎌倉幕府の初代将軍『源頼朝』の肖像画だと教わってきたと思います。
しかし、この人は源頼朝ではないという説が有力になってきています。
では一体誰なのかというのは、ぜひ本書を読んで確かめてみてください。
変わりゆく織田信長の実像?
織田信長は、時代の先を見る目があり、古い権威や宗教の破壊者である。
織田信長は、これまでに無い斬新な政策を実施した、革新的な人物でる。
織田信長は、傍若無人な態度で明智光秀を折檻したため、本能寺の変を起こされた。
信長に対して、このようなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、この信長像も近年崩れつつあります。
強大な仏教勢力である比叡山を焼き払った理由も、従来とは異なってきています。
ぜひ、新たな織田信長像に触れてみてください。
江戸時代の身分制は本当に士農工商?
江戸時代の身分制度として習った『士農工商』。
当たり前のように刷り込まれている言葉ですが、現在の教科書では『士農工商』という言葉すら出てこないのをご存じですか?
『士』は武士、『農』は農民、『工』は職人、『商』は商人。
きっと、こういった感じで習ったかと思うのですが、この4つに当てはまらない人もたくさんいました。
例えば漁師とか、林業を生業としていた人とか。
現在は、江戸時代の身分制度をどのように教えているのかを、ぜひ本書で確かめてみてください。
その他の内容
以下は、今回ご紹介しきれなかった項目を、本書の帯より列記してご紹介します。
- 早まる弥生時代のはじまり
- 聖徳太子はいたのか
- 劇的に変わった藤原京域
- 天皇あっての摂関政治
- 鎌倉幕府の成立はいつか
- 北条時宗の肖像が変わった
- 革命を目指す後醍醐天皇
- 『起こす』ものではない一揆
- 信長は武一辺倒ではない
- 『鎖国』の語が消えた
- 徳川綱吉は名君
- 『士農工商』ではおさまらない身分制度
- 明治維新の始まりと終わり
- 関東大震災の犠牲者は10万5千人
- 先の大戦を何と呼ぶ?
- 平成は悪い時代なのか?
総評
教科書で習った歴史というのは、一側面から歴史を眺めたものでしかないと僕は考えています。
学生時代に習った内容を覆す歴史は、本書に書かれていること以外にも、もっともっとたくさんあります。
織田信長の人物像や、江戸時代の士農工商の部分なんかは、もっと突っ込んだ話があったりもするので、歴史マニアの方には、ちょっと物足りないかなという印象です。
ですが、基本的な情報が把握できていないと、何が変わったかも分からないので、まずは本書の内容を楽しむくらいがちょうど良いですね。
また、学生時代の歴史を復習にも使えます。
ということで、歴史を学びなおしたい大人向けの一冊としては非常にオススメできる書籍です。
では、今回はこの辺で!
ありがとうございました。