昔からある日本の風習『お盆』
無くなった先祖の霊が帰ってくると言われ、お供え物を用意しご先祖様をもてなす。
そんなお盆のある時、私は見てしまったのです。
亡くなったはずの、ひい婆さんの後姿を・・・
今回は、ちょっと怖い日本の風習『お盆』の意味と、で現実に起こった不思議体験をお伝えします。
霊を見た話
あれは確か・・・僕が小学校3年生くらいの時だったと思います。
宿題なんか全くやらず、遊びほうけていた夏休み。
僕は両親に連れられ、母方の実家に帰っていました。
日にちはよく覚えていないのですが、親戚一同が終結していた為、お盆期間中であったことは間違いありません。
一日を祖母の家で過ごし、集まった親戚たちも徐々に帰っていく。
そんな中、僕たち家族も帰ることになりました。
祖母の家から出ると、外は真っ暗闇。時刻は20時くらいだったような記憶があります。
お盆にひい婆さんが帰ってきた!!
祖母の家は庭が広く、車までは少し距離があります。僕は、両親より少し後ろを歩いていました。
車に到着し、運転席に乗り込む父、助手席に乗り込む母、そして後部座席に飛び乗る妹。
最後に到着した僕も、車に乗り込もうとしました。
その時・・・
車が停めてあった四方10メートルくらいの何もない空き地。
その壁際に一人のお婆さんが後姿で立っていたのです。
全体的にやや薄い灰色、ぼんやりと浮かび上がる老婆の後姿・・・。
その瞬間、背筋が凍りついて立ち止まったのを、今でもハッキリと覚えています。
それと同時に僕は心の中で、こう思いました。
『ひい婆さんだ・・・』
僕が5歳くらいの時、ひい婆さんは亡くなりました。
祖母の家に行き親戚が集まってコタツを囲んでいる時・・いつも同じ場所に座り、笑顔でひ孫たちを可愛がっていたひい婆さんの姿を、今でも鮮明に覚えています。
そのひい婆さんが、目の前に現れた・・・。
距離にして5メートルくらいだったでしょうか。
僕は動けないまま、おそらく数秒が経っていたと思います。
すると、後姿のひい婆さんは、そのままスーっと遠ざかり始め、大人の腰くらいの高さの壁をすり抜け、ぼんやりと消えていきました・・・・。
お盆の起源
以上が僕の不思議体験です。
一般的に日本では『お盆に先祖の霊が帰ってくる』と言われています。
それを自分の目で見てしまったのです。
では、なぜお盆にご先祖様が帰ってくるのでしょうか?
これは、仏教の『盂蘭盆会(うらぼんえ)』と言われるお経が起源と言われています。
その起源を簡単にご紹介します。
仏教の開祖であるブッタの弟子『モッガラーナ』は不思議な力を持っていました。
モッガラーナは、その力を使い亡くなった両親の姿を見てみようと思い立ちます。
不思議な力で、死後の世界を映しだすモッガラーナ。
そこには、餓鬼になった見るも無残な母の姿が映し出されました。
驚いたモッガラーナは師匠であるブッタに助けを求めます。
するとブッタは『お供え物をして読経すること』をモッガラーナに命じます。
ブッタの教え通り、食事をお供えしお経を読んだところ、無残な姿の母は菩薩となって天に召されたのです。
そして、この出来事を見ていた亡者たちが、自分も苦しみから解放され天に召されたい一心で、地獄の扉からあふれ出てきます。
この亡者たちも、この時一緒に、天に召されました。
これが、お盆の起源『盂蘭盆会』の一説です。
そして、この出来事が起こった日が旧暦の7月15日、現在の暦で8月15日前後にあたります。
つまり、8月15日は地獄の扉が開き、亡者たちが現世に帰ってくるというのです。
・・・なんか不気味な話ですが、一説ではこれがお盆の起源と言われています。
余談ながら、食事を載せる『お盆』は、モッガラーナが供養の為に食事を備えた器が語源と言われています。
ご先祖様をきちんとお迎えしましょう!
以上が、お盆の不思議体験とその起源です。
実際、僕が見たのは現世に帰ってきたひい婆さんの姿だったのか?真相はよく分かりません。
でも、親戚たちが帰っていくタイミングで駐車場に姿を現し、消えていったひい婆さん。
もしかしたら、古くから伝わる伝承の通り、僕たちの顔を見に帰って来てくれたのかな?なんて思ったりもします。
お盆には、あなたに会う為、必ずご先祖様が帰ってきます。
そしてあなたの事を、そっと見守ってくれています。
お盆の時期には、お供え物をきちんと準備して、ご先祖様を歓迎してあげてください!
きっと、ご先祖様も笑顔で応えてくれるはずです。
その他、古来から伝わる日本の風習や伝承についても記事にしています。ぜひコチラもご覧になってみてください。