歴史に触れていると、いつしかこう感じるようになります。
『自分で史料を読んでみたい』
しかし、昔の字はいわゆる『くずし字』で書かれていて、現代人がいきなり読むことは不可能です。
そこで古文書を読むために、くずし字を勉強しなければならないのですが、何を選んで勉強すればいいのかも、分からないですよね。
そこで、過去に僕がくずし字を学ぶ時に愛用し、その入門書としていた3冊の本をご紹介します。
せひ、あなたの古文書解読にお役立てください。
古文書の超入門書3選
絶対必要な近世古文書解読事典
まず最初に、古文書を学ぶ上で持っていないと先に進まない本をお伝えします。
それは『近世古文書解読字典』です。
要はくずし字の字典です。
どんなに初心者向けの解読本を持っていても、それと同時に本書を所持していることが大前提となります。
英語を学ぶ上で、英和辞典が必須なのと同じ感覚です。
本書が無いと、分からない文字をご自身で調べて読む、という実践が出来ません。
結果、古文書を自力で読む経験が詰めないので、いつまで経っても読めるようになりません。
ゆえに古文書に挑戦しようと考えた場合、一般的な入門書と合わせて本書を所持しておくことをおすすめします。
古文書に挑戦したい初心者必携の書であり、長年古文書解読のバイブルとされ愛され続ける名著です。
本書無くして、古文書への入門はできないと言えるでしょう。
古文書入門のための入門書
知識ゼロの状態から古文書に挑戦したいと考えた時、一番最初に読むことをオススメしたいのが本書です。
本書の前書きで著者も述べている通り『入門の入門書』という位置づけで書かれています。
実際のところ、本書を全て読み込んだとしても、古文書は読めるようになりません。
じゃあ、本書を読んでも意味がないのかと言われると、そうではありません。
『入門の入門』というだけあって、古文書に挑むにあたっての必要な知識が学べます。
具体的には以下のような感じです。
- 古文書とは何か?
- 古文書のかたちを観察する
- 口語体と文語体の違い
- いろいろなかたちのあるくずし字
- くずし字の読解に対する考え方
- くずし字を読むコツは文意にあり
- 固有名詞を読むときはどうするか
- くずし字に向き合うには
- 字典の選び方
- 字形を観察する
- 漢字と平仮名はどう見分けるのか?
- 古文書を勉強できるところ
- 古文書を読むときの作法
- 古文書が存在することの意味
このように、古文書解読の書というよりは、古文書の勉強法を学ぶ本です。
これが『入門の入門』たる所以です。
僕自身もそうだったのですが、いきなり独学でくずし字を学ぼうとすると、どこから手を出して良いのかよく分からず、挫折の大きな原因になります。
なので『古文書をどう学ぶか?』を、あらかじめ本書で把握しておくことは物凄く重要です。
まず本書を読んで、古文書に挑戦するかどうかの指針とするのもオススメです。
とくに知識ゼロの状態であるならば、まずは入門の入門として本書に目を通すことをオススメしたいです。
絵で学ぶ古文書講座
初心者が古文書解読を実践するためにオススメしたいのが本書です。
くずし字とにらめっこしているだけでは読めるようにならず、解読には実践が必要です。
ただ、実践するにしても何を参考に進めていけば良いのか分からなかったりしますよね。
そこで、古文書を学ぶテキストとして、まずは本書を使用してみましょう。
タイトルにもある通り『絵で学ぶ』ことが出来るのが本書の特徴で、実際に江戸時代に起こったとある難波事件の記録を読み解いていきます。
その記録は、事件当事者たちの記録で、救出してくれた異国人の似顔絵も一緒に描かれています。
このような特徴的な古文書をテキストとして、事の顛末を紐解いていく流れになっており、くずし字を学びながら、とある事件の物語を楽しめるという一石二鳥な構成になっています。
いきなり堅苦しいテキストから入るよりは、やはり本書のように楽しみながら学べるものの方が、古文書の世界にスムーズに足を踏み入れることができます。
内容も分かりやすいので、非常にオススメの一冊です。
まとめ
以上、古文書解読の入門にオススメの3冊でした。
古文書を読むと、誰かが書いた歴史の本を読んでいる時とは違った、当時の人々のリアルな息づかいが聞こえてきます。
普段とは違った歴史の楽しみ方ができるので、ぜひ古文書解読に挑戦してみてください。