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拓麻呂です。
鍋島直茂(なべしま なおしげ)という戦国武将をご存知でしょうか?
戦国時代に詳しい方はご存知かもしれませんが、一般的にはあまり知名度が高くありません。
彼は『肥前の熊』とあだ名された龍造寺隆信(りゅうぞうじ たかのぶ)という戦国大名に仕えていた武将です。
実際のところ、主君の龍造寺隆信より後世の評価は高く、名将の一人として名を残しています。
今回はそんな鍋島直茂が語る、長所と短所の活かし方をご紹介します。
鍋島直茂が語る長所と短所
家来には色々な者がいた方が良い
龍造寺家の重臣として近隣諸国に名を轟かせていた直茂。
そんな彼の家来に、ちょっとした事ですぐに涙を流す非常に泣き虫な男がいました。
ところが直茂は、その泣き虫をとても可愛がり重用しています。
不満に思った一人の家来が、直茂と問いただします。
『なぜ、あのような涙もろい男をお側においているのですか?武士の風上にもおけぬ、あのような泣き虫は何の役にも立ちますまい!』
すると直茂はこう答えました。
『いやいや、そんなことはないぞ!お主の申す通り、確かに戦では役に立たないであろう。しかし奴のような涙もろい男は、葬式やお悔やみの使者にはうってつけであろう!』
そして直茂は最後にこのように言いました。
『家来には色々な者がいた方が良いのだ』
短所を長所として生かすこと
この直茂のエピソードから分かることはなんでしょうか?
それは一見短所にしか見えない欠点を、長所に変えてしまうという事です。
ちょっとしたことですぐ泣いてしまう泣き虫は、戦国時代の荒波み揉まれた周囲の者たちから見て、とても軟弱な頼りない存在に映っていました。
そんな泣き虫は当然、役に立たない!
これが直茂の家臣たちの総意であり、泣き虫を短所として見ています。
ところが直茂は違いました。
泣き虫には泣き虫の活きる場所がある、短所には短所の活かし方がある・・。
そう言っているのです。
長所を伸ばすことの大切さ
よく会社組織などでは、その人の短所を改めるよう指摘されることがあります。
しかし、これはあまり現実的なことではありません。
生まれ持った性格、これはそうそう変わるものではなく、先天的なものでもあるように思います。
人が活躍する為には、短所を改めるのではなく、長所を伸ばす方が現実的です。
どんなに頑張っても短所は短所です。
出来ないものは出来ないのです。
ところが直茂は、そんな短所ですら長所に変えて、その性格が活躍できる場を見出しています。
つまり、短所が長所となることで、それは欠点ではなく成長させるべき個性となるのです。
人間にはそれぞれの性格があり、個性があります。
そんな個性が活きる場所こそ、本当にその人が居るべき場所であり、成長できる環境なのかなと、僕は考えています。
名将言行録
今回の記事ですが、戦国武将の逸話が沢山書かれている『名将言行録』という書物に記された逸話です。
名将言行録は江戸時代末期に編纂され、戦国時代からかなりの年月が経過している為、史料的な価値は正直微妙です。
しかし、この名将言行録は史実を知る為の史料ではなく、人間の本質がわかる『真実』の書であると僕は考えています。
史料書かれていることは『事実』、名将言行録のような物語に書かれていることは『真実』。
この事実と真実を見分けることで、歴史はさらに奥深く楽しめるのではないかと考えています。
ちょっとマニアックな鍋島直茂を、もっと知りたい方はコチラがおススメです。
では、今回はこの辺で!ありがとうございました。