ご来訪ありがとうございます。
『清少納言に恋した男』拓麻呂でございます。
世界最古のエッセイと言われる『枕草子』。著者の清少納言はこのエッセイの中で、1000年前の様々な事柄を取り扱っています。
今回は1000年前のやらかした出来事。
枕草子では【間の悪いもの】として紹介されています。
枕草子に書かれた間の悪いものは以下の3つ
・自分が呼ばれていないのに、振り返ってしまったこと
・子供が本人の前で、噂話をベラベラ喋ってしまったこと
・悲しい話に涙できなかったこと
実際に清少納言が体験したことかのか、はたまた誰かの行動を見て書いたのかは分からないのですが、恐らくは自身の経験談からくる記事なのでしょう。(根拠はない・・・)
現代でも同じような体験をしたことがある人も多いはず!
古文? 品詞分解? 歴史的仮名遣い?
そんな専門知識が無くたって『枕草子』は楽しめる!!
では、清少納言の恥のかきっぷりに迫ってみましょう。(※場面設定は僕なりの脚色ですのご理解ください)
~1000年前のやらかした体験談~
誰かに呼び止められる?清少納言
いつもと変わらぬ日常。清少納言が路地を歩いていると、ふと声がしました。
「ちょっと、そこのあなた!」
「はぁい」
振り返る清少納言。するとそこには見たこともない他人が立っていました。その人は怪訝そうな顔をしています。
「・・・」
気まずい空気が流れます。
「あんたを呼んだんじゃないですよ・・・」
「は、はぁ・・・失礼いたしました」
顔を真っ赤にした清少納言は、足早にその場を立ち去りつつ、こう思いました。
「は、恥ずかしい・・・」
ベラベラ喋ってしまう子供に焦る清少納言
いつもと変わらぬ日常。清少納言は友人と世間話に花を咲かせています。傍らでは幼い子供が、棒を振り回して遊んでいます。
「そうそう、あの噂知ってる?」
「え?なになに?」
清少納言の話に食いつく友人。
「実はあの男・・・」
清少納言お得意?の陰口が始まりました。こうなると、もう止まりません。
友人と笑い転げる清少納言。しかしこれが不運の始まりでした。
翌日・・・
今日もいつもと変わらぬ日常。ふと昨日、噂に上った男性と出会いました。
「こんにちは」
「やぁ、こんにちわ」
軽いあいさつを交わし、その場を去ろうとする清少納言。その時、一人の子供が近づいてきました。昨日、陰口で盛り上がっていた時、傍らで棒を振り回していた子供です。
なんとその子は男性に、昨日の噂話の内容をベラベラと喋り始めました。
子供に悪気は無かったのでしょうが、何というタイミングの悪さ。
顔面蒼白になる清少納言。
「あぁ、そんな話もしたかしらねぇ・・・おほほほ・・・」
顔を真っ青にした清少納言は、足早にその場を立ち去りつつ、こう思いました。
「あのクソガキ・・・」
涙が枯れた清少納言
いつもと変わらぬ日常。清少納言の元に知人が訪ねてきました。その知人は、先日ひどく悲しい思いをし、胸の内を話そうを訪ねてきたとの事。
話を聞き、悲しみに共感する清少納言。
「それは、お辛かったことでしょう」
その知人は話しているうちに、悲しかった出来事思い出し、わんわんと泣き始めてしまいました。
清少納言も悲しい顔をし、ともに涙する・・・はずでした。が、涙が出てこない。
焦る清少納言。なんとか涙を流そうと悲しい顔を作るのですが、一行に涙は出てきません。
共感してくれない清少納言を見た知人は、足早にその場を立ち去ってしまいました。
~1000年前から失敗は誰にでもある~
いかがでしたか?1000年前のやらかした出来事。頷けるエピソードもあったのではないでしょうか?
人間誰でも、一つや二つ消し去りたい過去を持っているものです。それは1000年前の平安時代も同じこと。
そういった過去を糧に、人間は成長していくんです。
※参考:枕草子 一二七段『はしたなきもの』より
余談 ~今回の記事について~
冒頭でも触れましたが、今回の内容は清少納言の体験談かどうかはよくわかりません。ですが、枕草子に書き残している以上、自身の経験からくるものであろうと仮定した内容になっています。
よって場面設定などは多少脚色してあります。
実際の枕草子には、やらかした出来事だけが列挙されており、その時の詳しい状況などは書かれていませんのでご注意ください。
しかしながら
・自分が呼ばれていないのに、振り返ってしまったこと
・子供が本人の前で、噂話をベラベラ喋ってしまったこと
・悲しい話に涙できなかったこと
この3つを【間の悪いもの】として、書き残していることは事実ですので何卒ご理解ください。
もっと枕草子の世界を覗いてみたい方は、こちらからお好みの記事をご覧ください。
では、今回はこの辺で!ありがとうございました。