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『清少納言に恋した男』拓麻呂でございます。
清少納言が書き残した『枕草子』。
著者の清少納言はこのエッセイの中で、千年前の様々な事柄を取り扱っています。
今回はその中から平安時代の【滅多にないもの】という記事を紹介します。
この【滅多にないもの】を読んでみると、
人間の深層心理というものは、千年前から何も変わっていないことが分かります。
古文? 品詞分解? 歴史的仮名遣い?
そんな専門知識が無くたって『枕草子』は楽しめる!!
清少納言が教えてくれる千年前から変わらない人間の本質に迫ってみましょう。
~平安時代から変わらない人間の本質~
滅多にないもの その1
では、まず清少納言が感じた滅多にないものの一つ目。
【姑に褒められるお嫁さん】
いきなり平成の世でもよくある現象が出てきました。現代でも嫁姑問題ってありますね。
1000年前から嫁と姑は中が悪いのが相場だったようです。
滅多にないもの その2
次はこちら
【欠点のない人、非難を受けない人】
これは、現代も一緒ですね。今も昔も完璧な人間なんていないってことです。
1000年前から人間欠点のひとつやふたつは当たり前だったんでしょう。
人間は千年前から何も変わっていませんね。
滅多にないもの その3
これは非常に興味深い。
【最後まで仲が良かった女同士】
僕は男性なのであまり深くは分からないのですが、女の子同士って派閥みたいなのありますよね。小学生の頃、いつも仲良くしていた女子グループから、突然仲間はずれにされてる女子を何度か見たことがあります。
しかし、これを書いた清少納言の心理には少し疑問があります。
と言うのも、清少納言が生涯尊敬し続けた女性『中宮定子(ちゅうぐうていし)』の存在があるからです。
定子は清少納言が仕えた女性てすが、枕草子には、清少納言と定子の心温まるエピソードが多く書き残されています。
二人はお互いを認め、信頼し合う相思相愛な関係であったことが枕草子から読み取れるので、『最後まで仲の良かった女同士』にはそぐわない事になります。
しかし、枕草子の内容は、清少納言が一歩引いところから物事を観察しているような印象があるので、自身のことはあまり考えていなかったのでしょう。
実際、自分の事は棚上げしている内容もありますからね。
その内容はこちらをご覧ください。
滅多にないもの その4
ここからは平安時代の『あるあるネタ』とでも言える内容です。
千年前の情景が窺える面白い事が書いてあります。
【本を書き写す時、墨をこぼさない人】
この当時はコピーという技術は存在しません。なので、自ら書き写すという作業が必要になるわけです。この時に、墨をコピー元の本や床に垂らしてしまう人が多かったようです。
現代はボールペンなどを使っているので、あまり見ない光景かもしれませんが、墨で字を書いていた千年前では、当たり前のことだったのでしょう。
滅多にないもの その5
最後はこれ
【毛がよく抜ける毛抜き】
この当時、毛抜きは主に眉を抜くのに使われていました。美容を重視する平安時代の宮廷女性にとっては、必須アイテムだったことでしょう。
よく時代劇などで見かける光景ですが、貴族などが顔面白塗りで楕円形の眉毛になっています。これを『引眉(ひきまゆ)』と言います。
↓こんな感じの眉毛です↓
そんな宮廷女性にとって、毛抜きは日用品であり品質の良し悪しは大きな問題だったことでしょう。
そして、この内容から感じるイメージ。それは、清少納言もやっぱり女性だったということ。
美容を気にしている彼女の姿が、とても可愛らしく感じます。
滅多にないものから読み取れること
いかがだったでしょうか?
枕草子では、この他にも例をあげているのですが今回は5つに絞って見てみました。
嫁姑、完璧人間、女性グループの3つに関しては現代でも全く同じことが言えるのではないでしょうか?
人間の本質、深層心理は1000年前の平安時代から何も変わっていないようです。
ですから、人付き合いで大切なことは、1000年前から変わっていないとも言えます。
1000年前から変わらない人間の本質を理解し人と向き合うことで、より良い人間関係が築けるかもしれませんよ。
もっと枕草子の世界を覗いてみたい方は、こちらからお好みの記事をご覧ください。
では、今回はこの辺で!ありがとうございました。
参考:枕草子 七五段『ありがたきもの』より