現代語版 枕草子 九九段『五月の御精進のほど』②和歌に縁の無い一日

枕草子のこと

 

ご来訪ありがとうございます。

『清少納言に恋した男』拓麻呂でございます。

 

清少納言が書き残した枕草子 九九段『五月の御精進のほど』

 

清少納言はホトトギスの声を聴いて和歌を詠もうと思っていたのですが・・・

ちょっと色々ありまして、結局和歌を詠むことが出来ず、定子様の元にノコノコと帰ってきました。

 

その辺りの話はこちらをご覧ください。この後の話がより理解しやすくなります。

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今回は、和歌を詠まずに帰ってきた清少納言と、そんな彼女の怠慢に機嫌を悪くする中宮定子のお話です。

 

 

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和歌に縁のない一日

プチ旅行から帰ってきたものの・・・

一応、ホトトギスの声を聴いてくるという名目で出かけていった清少納言。

 

ホトトギスの声は聴けたものの、その風情を和歌に詠むことを忘れて帰ってきてしまいました。

 

とは言え、無事に帰って来たので、まずは定子様にご報告です。

 

『ただいま戻りました』

 

すると定子様は、興味深そうに旅の様子を尋ねてきました。置いて行かれた女房たちも、やや恨めし気に尋ねてきます。

 

清少納言の土産話に花が咲き、特に『藤原公信(ふじわらのきんのぶ)』との追いかけっこの件には、一同大爆笑!!

 

そして、笑いもひと段落したところで、定子様が仰いました。

『ところで少納言。ホトトギスの声を聴いて、どんな和歌を詠んだのですか?』

 

 

ぎくっ!!

 

やべっ!と思った清少納言は、和歌が詠めなかった事情を事細かに説明しましたが、定子様は

『少納言!あなたは一体何をしに行ってきたのですかっ!!』

 

と、一喝されてしまいました。

 

定子様はさらに続けます。

『せっかくホトトギスの声を聴いたのに和歌のひとつも詠めませんでしたでは済まされませんよ!今すぐ、ここで詠みなさい!』

 

 

藤原公信の洒落た気遣い

和歌を詠み忘れた清少納言。そんな彼女に対し、定子様はたいそう機嫌を悪くしてしまいました。

 

『どうしよう・・・』

 

ひとまず、同行した女房たちと和歌の相談をしていたら・・・

 

追いかけっこをした『藤原公信』から和歌が届きました。

 

その和歌は、卯の花を添えた薄紙にしたためられています。

 

この卯の花は、公信と追いかけっこをした際、清少納言が乗っていた牛車に飾り付けてあったものです。

 

『そう言えば、公信様は去り際に卯の花を一輪持って帰っていったっけ・・・』

 

公信の洒落た演出に感心する清少納言でした。

 

なお、公信の和歌がどんな内容だったのかは不明です。枕草子には『どんな和歌か忘れた』と書いてあるので・・・

 

 

またしても和歌を詠み損なう清少納言

ともかくも、まずは公信の和歌にお返事することになり、使いの者に硯を取りに行かせました。

 

ところが、定子様は、

『早く返事を書いてしまいなさい』

と、ご自分の硯箱を清少納言に渡してきたのです。

 

完全に恐縮した彼女は、『宰相の君(さいしょうのきみ)』と名乗る先輩女房に和歌の返事をお願いします。

 

ところが宰相の君は、

『いやいや、公信様は少納言に宛てて和歌を寄こしたのですから、ここはお前が書くべきでしょう』

と言って聞く耳を持ちません。

 

『宰相様、お願い致します』

『嫌です、少納言が書きなさい』

『そんなこと言わずに・・・』

『嫌だと言ったら嫌です!』

 

などと譲り合っていたら、大雨が降り出し、大きな雷が鳴り始めたのです。

 

突然の雷に、清少納言はびっくり仰天。

 

急いであたりの格子を閉めて回りました。

 

余談ながら清少納言は雷が相当嫌いだったようです。枕草子には彼女の雷嫌いを匂わせる章段がちょいちょい見られます。

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今日は和歌に縁の無い日でした!

激しい雷雨も、ようやく遠くへ行った頃には日が暮れていました。

 

遅くなってしまったけど、今度こそ和歌を詠もうと思ったのですが、雷雨のお見舞いに来る人が後を絶ちません。

 

清少納言は、その対応に追われ、またしても和歌を詠むことが出来ませんでした。

 

『今日は本当に和歌に縁の無い一日・・・』

 

そんなことを思い、和歌のことはどうでも良くなってきた清少納言でした。

 

 

参考:枕草子 九九段『五月の御精進のほど』より

 

 

この後、ついに和歌を詠む清少納言の姿が!

ホトトギスを聴きに行った事に始まる一連の騒動。しかし結局和歌を詠まないまま、うやむやになってしまいます。

 

しかし、この二日後に再び話をぶり返されるのです。

 

枕草子ではこの後に、和歌を詠む詠まないで意地を張り合う、清少納言と定子様の姿が綴られています。

 

『五月の御精進のほど』の最後は、そんなふたりのやり取りがあり、食い意地の張った清少納言の和歌、そして定子の思いやりに溢れる和歌で、とても微笑ましく締めくくられます。

 

かなり長い章段ですが、もう少しお付き合いください。

続きはこちらです。

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なお、今回の内容に至る経緯は、こちらをご覧ください。

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では今回はこの辺で!ありがとうございました。

 

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