約2000年の歴史を持つ僕たちの日本には、これまで幾多の偉人たちが登場し、様々な偉業を残していきました。日本史を彩るスーパースターたちは、今を生きる日本人にとって偉大なる人生の先輩であり、多くの悩みを抱える現代人に突破口を示してくれる存在です。
聖徳太子、藤原道長、源頼朝、豊臣秀吉、坂本龍馬・・・
挙げだしたらキリがありません。
今回は、そんな日本史を彩るスーパースターたちの中から、歴史好きな僕が日本に大きな影響を及ぼしたと考える人物を、独断と偏見で5名ピックアップしていこうと思います。
目次
~日本の歴史に多大な影響を与えた5人~
~選考基準~
なお選考基準ですが、生前の活躍+後世に与えた影響ということにします。
例えば足利尊氏は室町幕府の初代将軍なので、当時としては大活躍していると言えますが、彼が後世に与えた影響と言われると・・・ちょっと思い浮かびません。(尊氏ファンの方、ゴメンナサイ)
このように、生前の活躍だけを基準にしないこととします。
よってかなり主観の強い選出となりますので、その辺りはご容赦ください。
では行ってみましょう!日本に大きな影響を与えた5人です!
毛利元就(戦国時代)
まずは、この人。
戦国時代に中国地方全土を制覇した大大名『毛利元就(もうりもとなり)』です。

戦国時代と言えば、織田信長や武田信玄、北条氏康などスーパースターを多く輩出した時代でもあります。
しかし僕は元就が生前に見せた大躍進と、幕末維新で長州藩が見せた狂気的とも言える行動力を評価し、あえて戦国時代からは毛利元就を選びました。
まず元就の偉業は、安芸国(あきのくに、現在の広島県)の小さな豪族としてスタートします。その元就は権謀術数を駆使し、最終的には中国地方全土を制圧する戦国時代を代表する大大名にまで成り上がります。
同時代の織田信長や武田信玄も大きな勢力を築き上げた大名ですが、彼らの場合は先代が築いた一定の地盤を持っていました。一地方の小さな豪族名から、これ程までに勢力を拡大した大名は他に例がありません。
時代はくだって、日本は明治維新を迎えます。この明治維新で活躍したのがご存知、長州藩。
この長州藩は、元就の子孫が代々藩主(殿様)を務めています。
そして、幕末にこの長州藩が生んだ英雄たち・・
吉田松陰、高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文、山県有朋。
彼らは明治維新という、日本を近代化に導く大革命の原動力となります。
元就は、戦国時代においても他に例のない大躍進を見せた男であり、彼が築いた毛利家、後の長州藩からは明治維新を成立させたスーパースターたちが誕生しているのです。
生前の活躍もさることながら、後に日本を動かした長州藩の出発点が毛利元就。
まずは『毛利元就』を5人の中に選出いたします。
塙保己一(江戸時代)
次はこの人。
江戸時代の国学者、塙保己一(はなわほきいち)です。

まず彼を語る上で、先に言っておかねばならない事があります。
彼は幼いころに、視力を失っています。
しかしながら、保己一はそのようなハンデを乗り越え、後世に歴史を伝える『群書類従(ぐんしょるいじゅう)』という歴史書の編纂を成しとげます。
群書類従とは全国に散らばった古文書などをかき集め、まとめた物です。この古文書を周囲の人に音読させ、保己一は凄まじい記憶力で内容をインプットしていきます。
その記憶力は、正に江戸時代の人間コンピューター。
そして、保己一の頭でまとめられた内容を書き残したものが、群書類従と言われる歴史書です。
光を失った世界で、バラバラだった歴史を一つにまとめ、後世の我々にも歴史を伝えてくれる群書類従。
その編纂を成し遂げた『塙保己一』を5人の一人に選出いたします。
清少納言(平安時代)
三人目は女性の登場です。
世界最古の女流随筆集『枕草子』を書き残した清少納言です。


彼女が後世に残したものと言えば、やはり枕草子。
このエッセイが書き残された事で、後世の我々は千年の時を経て平安時代の情景や価値観を知る事ができます。
しかも内容が面白く、現代人が読んでも共感できることが目白押し。
これだけでも十分な活躍なのですが、清少納言は枕草子の中で、女性の社会進出を訴えるような記事を書いているんです。
詳細は別の記事に委ねますが、千年前は女性の社会的地位の低さは現在とは比べ物にりません。
そんな状況下で彼女は、枕草子というエッセイを残し『女性はもっと社会にでるべきだ(宮廷に出仕すべきだ)』と訴えているのです。
なんという先見の明!
平成の世にも通じる価値観を見出し、平安時代の情景を届けてくれる枕草子を残した『清少納言』を5人の中に選出いたします。
和気清麻呂(奈良時代~平安時代)
4人目はこの人。
奈良から平安時代の文官、和気清麻呂です。
彼の生前の活躍としては、まず平安遷都への尽力が挙げられます。
そしてもう一つは『道鏡事件』と言われる皇統の危機を救ったこと。
道鏡は称徳天皇という女帝の寵愛を受け、次期天皇の座を狙い始めます。天皇の血を受継いていない道鏡の企みを暴露し、皇統を守った和気清麻呂。
当時の道鏡は絶対的な権力を持っていましたが、清麻呂はその権力に臆することなく勇気ある行動に出ました。

この清麻呂の活躍が無ければ、日本は『現存する世界最古の国』を維持できなかったかもしれないのです。
日本は世界に誇る『現存する最古の国』。その日本を守った和気清麻呂を5人の一人に選出いたします。
太安万侶(奈良時代)
最後はこの人。
日本最古の歴史書『古事記』の編纂者、太安万侶(おおのやすまろ)です。
彼を選ぶ理由、それは古事記の編纂者という事。
古事記は日本神話を現代に伝えてくれます。
この古事記を編纂しただけでも十分なのですが、安万侶の活躍はそれだけではありません。
現在、我々が当たり前のように使っている文字『平仮名』。
この平仮名の原点は古事記にあり、太安万侶が発明したものなのです。

奈良時代初期のこの時代、日本には漢字しかありませんでした。
しかし、話し言葉としての日本語は既に成立しいます。
安万侶は考えます。漢字を使って、何とか日本語を表記できないものかと・・・
そこで考えついたのが、表意文字である漢字の読みを日本語に充てたのです。
『伊』を『い』、『加』を『か』というように。
古事記は全て漢字で書いてありますが、漢字本来の表意文字として使われている部分と、表音文字として使われている部分があります。これが後に万葉仮名と呼ばれる仮名文字の原点となり、後に平仮名へと形を変えていくのです。
現代の我々が何気なく使っている平仮名。その平仮名を原点を編み出し、日本神話を伝える古事記を編纂した太安万侶。彼を最後の一人として5人の中に選出いたします。
~選びきれない日本の偉人たち~
いかがだったでしょうか。なんとか5人に絞りましたが、正直なところ選出したかった人物はまだまだ沢山います。
蘇我馬子、稗田阿礼、空海、紫式部、藤原定家、北条時宗、出雲阿国、本居宣長、吉田松陰などなど・・・
冒頭でもお伝えしましたが、かなり主観が入った内容になっています。おそらく100人の歴史好きがいたら、みなさん違う5人を選ぶことと思います。
そして今回は生前の活躍と、後世に残した影響の大きさを基準に選んでいますので、違う観点で着目すれば、また違った人物になります。
約2000年の歴史を持つ日本には、魅力的な偉人たちが数え入れないほど活躍してきました。そんな先人たちの偉業に是非ふれてみてください。
きっと今まで想像したこともないようなスケールの大きな人生に出会うことができるでしょう。
お読みいただき、ありがとうございました。