枕草子 二三段『清涼殿の丑寅のすみの』が語る中宮定子の美しさ!

人物のエピソード

 

ご来訪ありがとうございます。

『清少納言に恋した男』拓麻呂でございます。

 

枕草子の著者である清少納言

 

この枕草子には、清少納言の鋭い感性が随所に散りばめられており、その感性が楽しめるのも魅力のひとつですが、枕草子にはもうひとつ重要なテーマが存在します。

 

それは、清少納言が定子(ていし)様と過ごした輝かしい想い出。

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清少納言は天皇お后である定子様にお仕えし、身の回りのお世話をしていました。枕草子には、定子様とのほっこりするような想い出が沢山つまっているのです。

 

しかし・・・この輝かしい日々は長くは続きませんでした。定子様は若くしてこの世を去ってしまうのです。

 

清少納言の悲しみは大きかったことでしょう。その証拠に、枕草子には定子様が旅立たれた後の話は一切記されていません。楽しかった想い出だけを切り取り、枕草子に書き残しているのです。

 

 

決して長くはなかった定子様と一緒に過ごした想い出は、清少納言にとって何物にも変え難い、大切な宝物なのです。

 

 

僕は枕草子を読んでいると、この二人のやり取りにいつも心を癒されます。

 

古文? 品詞分解? 歴史的仮名遣い?

そんな専門知識が無くたって『枕草子』は楽しめる!!

 

今回は清少納言が定子様のことを、どのような想いで見つめ、そして定子様がどれほど美しいお方だったのかが窺えるエピソードを見ていきましょう。

 

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~美しき定子様~

宮仕えに慣れてきたある日の出来事

お仕事初日から数か月。清少納言は、ちょっとした事で笑みがこぼれるような心の余裕が生まれていました。

 

宮廷の隅にある障子には手長、足長という奇妙な生物が描かれています。

 

清少納言はこの障子が目に入るたびに『変な生き物』と思い、仕事場の仲間と一緒に今日もケラケラ笑っています。

 

(お仕事初日は泣きそうなほど緊張していた彼女ですが、もうすっかり慣れたようですね)

 

 

縁側に目をやると、手すり近くに置かれているのは青磁(せいじ)の大きな瓶。その大きな瓶には1.5メートルほどの咲き誇った桜の枝がたくさん活けてあり、縁側の外まで花びらがこぼれています。

 

ふと気が付くと時刻は午前11時頃。帝(みかど、天皇のこと)と、そのお后様である定子様のお食事の時間です。

 

 

帝と定子様、そして伊周様の雅なお姿

その時、大納言 藤原伊周(だいなごん ふじわらのこれちか)様がいらっしゃいました。伊周様は定子様の兄にあたります。

 

伊周様は、少し着慣れた感じの色彩豊かなお召し物で何とも雅なお姿。うっとりする清少納言。

 

辺りはお食事の準備でバタバタと大忙し。『静かにしなさい』と言う声も聞こえてきます。

 

春の柔らかい陽ざしの中、そんな光景も実に良い雰囲気を醸し出しています。

 

お食事の準備が整い、帝がお部屋に入ってきました。伊周様は気を遣い、青磁の瓶近くに下がります。

 

やがて定子様もお見えになりました。

 

この時の定子様の姿を清少納言はこう語っています。

 

お出ましになった定子様は理屈など無い美しさ。お仕えする私たちも、嫌なことを忘れるほど見とれてしまいました。

 

 

テンパる清少納言

お食事を終えた定子様はみんなで詩を読もうと思い、清少納言に語り掛けます。

 

『墨をすってくださいな』

 

急いで墨と硯を用意する清少納言。さっそく墨をすり始めます。

 

しかし、どうも手元がおぼつきません。

 

彼女の目線は、美しすぎる定子様と初々しい帝に向いてしまうのです。

 

集中できず清少納言はテンパります。

 

そしてこの後も、彼女と定子様は楽しく詩を読み、雅な宮廷での一コマが続くのです。

 

参考:枕草子 二三段『清涼殿の丑寅のすみの』より

 

 

~宮仕えを選んで良かった~

清少納言は枕草子で定子様のことを絶賛し続けます。読んでみると分かるのですが、本当に褒めちぎっています。同じ女性として心の底から、憧れていたのでしょう。

 

そんな憧れの定子様と出会うことができたのも宮仕えという仕事を選んだから。この選択は彼女の人生を左右する、重要な分岐点だったのです。

 

しかし、この選択は彼女自身のみならず、後世の我々にとっても非常に大きな影響を与えています。

 

定子様との出会いがなければ枕草子は生まれていません。彼女が定子様と出会ったからこそ枕草子は書かれ、後世の我々は1000年前の情景や価値観を知ることができるのです。

 

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では、今回はこの辺で!ありがとうございました。