古事記にたくさん登場する日本の神様。
八百万(やおよろず)の神々が活躍する日本神話では、とても個性豊かな神様で溢れています。
そんな日本神話の中には、男神たちが一目ぼれし、いきなり求婚を申し込んでしまうほどの美しい女神が登場します。
ということで、個人的な主観に基づき、日本神話の始まるところから神武東征の前までの範囲で、美しい女神様ベスト3を決めてみたいと思います。
日本神話 美しい神様ベスト3
3位 木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤヒメ)
3位は『コノハナノサクヤヒメ(コノハナノサクヤビメ)』です。(以下サクヤヒメ)
【神名】
木花之佐久夜毘売・神阿多都比売など
【家族構成】
父:オオヤマツミ、姉:イワナガヒメ、夫:ニニギ、子供:海幸彦・山幸彦など
【お祀りしている主な神社】
富士山本宮浅間大社(静岡県)、木花神社(宮崎県)など
【略伝】
初代 神武天皇の曽祖父にあたる邇邇芸命(ニニギ)に嫁いだ美しい女神様。神名の『木花』は桜を表しています。サクヤビメには『イワナガヒメ』という姉がおり、ニニギにはサクヤビメとイワナガヒメの2人が嫁ぐはずでした。しかし、イワナガヒメの容貌が醜かったためニニギはサクヤビメだけを娶りました。サクヤビメと結ばれたことで、ニニギの一族(皇室)は桜の花が咲くように華やかな繁栄を遂げました。しかし、イワナガヒメを娶らなかったことで、岩のように強固な生命力を失い、桜の花のように儚く散る運命を決定づけられてしまいました。これにより、歴代天皇には寿命が設けられてしまったのです。
天照大御神(アマテラス)の孫で、いわゆる天孫降臨で地上世界に降り立った『ニニギノミコト』がベタ惚れした女神様です。
『コノハナノサクヤビメ』という名前からして、可憐で麗しいイメージを抱かせますね。
そんなサクヤビメに、ニニギノミコトは出会った瞬間一目惚れしています。
そして、ニニギノミコトとコノハナノサクヤビメは、出会って間もなく結婚し、すぐに子供を授かっています。
一目惚れ→速攻で結婚→すぐ妊娠、というスピード感ある展開になっていますので、それだけニニギを夢中にさせる美人だったということでしょう。
なお、あまりに早く妊娠したため、ニニギに『他の男と交わって授かった子供ではないか?』と疑われてしまい、その疑いを晴らすために燃え盛る炎の中で出産するという荒行をやってのけた気の強い女神様でもあります。
2位 櫛名田比売(クシナダヒメ)
2位は『櫛名田比売(クシナダヒメ)』です。
【神名】
櫛名田比売、奇稲田姫(クシイナダヒメ)、稲田媛(イナダヒメ)など
【家族構成】
父:アシナヅチ、母:テナヅチ、姉:ヤマタノオロチに食べられた7名、夫:スサノオ
【お祀りしている主な神社】
八坂神社(京都府)、氷川神社(埼玉県)、八重垣神社(島根県)など
【略伝】
スサノオのヤマタノオロチ退治神話に登場するヒロイン。豊穣と子育てを司る女神様です。7人の姉たちが次々とヤマタノオロチに食べられてしまい、いよいよ最後に残ったクシナダヒメも危なくなったところに、たまたまスサノオが通りかかったことで、ヤマタノオロチ退治の神話へと発展していきます。ヤマタノオロチとの決戦の際、クシナダヒメはその身を櫛に変え、スサノオはその櫛を頭に刺しともに戦いました。
クシナダヒメは、スサノオが高天原を追放され、出雲の地に降り立った際、最初に出会った地上の女神様(国津神)です。
クシナダヒメは『アシナヅチ』と『テナヅチ』という老夫妻の娘で、もとは八人姉妹だったのですが、毎年ヤマタノオロチが一人ずつ食べてしまい、残るのはクシナダヒメだけになっていました。
そんな中、今年もヤマタノオロチがやってくるということで、親子で悲しんでいたところに、スサノオが現れクシナダヒメと出会います。
この時にスサノオがクシナダヒメに一目惚れして、自分が何者なのかを名乗ってもいないのにいきなり求婚を迫ります。
そして、クシナダヒメを妻にして、ヤマタノオロチとの決戦に挑むのです。
出会いがしらの求婚、クシナダヒメとの結婚を力の源にしてヤマタノオロチとの決戦を決意させたという逸話。
これはクシナダヒメが相当な美人だったから、スサノオがコロッと落とされてしまったとか考えられません。
ということで、2位は荒々しい神 スサノオを一発で惚れさせた『クシナダヒメ』がランク入りです。
1位 八上比売(ヤガミヒメ)
1位は『ヤカミヒメ(ヤガミヒメ)』です。
【神名】
八上比売、稲羽八上姫など
【家族構成】
夫:オオクニヌシ、子供:キマタノカミ
【お祀りしている主な神社】
売沼神社(鳥取県)、八上姫神社(鳥取県)など
【略伝】
因幡の白兎神話に登場する女神様。オオクニヌシのたくさんの兄たちが求婚しようとしていたのですが、結果的にオオクニヌシが射止めたことで、兄たちの凄惨な復讐劇へと発展してしまいました。しかし、オオクニヌシは後にスセリビメという正妻を娶ります。その事実を知ったヤガミヒメは、スセリビメに遠慮して故郷に帰ってしまいました。
ヤガミヒメは『因幡の白兎』神話に登場する女神さまで、かなり壮絶な経緯を辿りオオクニヌシと結ばれています。
オオクニヌシは兄弟の末っ子で、たくさんの兄がおり、いつもこき使われていました。
具体的に何人の兄がいたのかは不明ですが、『八十神(やそがみ)』と表記されていることから、相当数の兄がいたことが分かります。
古代における『八』という数字は、大きいものや、数の多いものに使われる比喩表現なのです。
そんなたくさんのオオクニヌシの兄貴たち全員がヤガミヒメに惚れており、結婚しようとしていました。
ところがヤガミヒメは末っ子でパッとしないオオクニヌシを選んでしまったものだから、兄たちから恨みを買うことになってしまったのです。
そして、オオクニヌシは兄たちの執拗な嫌がらせに合い、2度に渡り命を落としています。(2回亡くなったが、神や母の霊力で蘇生している)
それでも兄たちの恨みはエスカレートする一方で、最終的にはオオクニヌシが現在の鳥取県から和歌山県まで逃亡しました。
それだけの人数に惚れられていて、求婚まで考えられていただけでも凄いのに、オオクニヌシに対する行き過ぎた恨みをも抱かせた『ヤガミヒメ』。
人間に例えるならば、まさに魔性の女。
そんなヤガミヒメは、日本神話における最も美しい女神と言えるのではないでしょうか。
美しい神様ベスト3まとめ
以上、日本神話の美人神様ベスト3でした。
1位 八上比売(ヤガミヒメ)
2位 櫛名田比売(クシナダヒメ)
3位 木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)
個人的な主観で選んでみましたがいかがでしょうか。
日本神話の美しい神様。あなたは、どんな神様を選びますか。
この他にも、日本神話は魅力的な神様たちで溢れかえっています。ぜひ今まで以上に日本神話に触れて楽しんで頂ければと想います。
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