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『清少納言に恋した男』拓麻呂でございます。
平安時代に清少納言が書き残した『枕草子』。
春はあけぼの、やうやう白くなりゆく・・・
枕草子と言えば『春はあけぼの』。あまりにも有名な枕草子の冒頭部分です。
この後、春→夏→秋→冬と四季の情景が記されていきます。これが有名な枕草子 一段です。
ところで、枕草子の二段、つまり『春はあけぼの』の後って、どんな内容なのかご存知ですか?
古文? 品詞分解? 歴史的仮名遣い?
そんな専門知識が無くたって『枕草子』は楽しめる!!
今回は、意外と知られていない枕草子 二段の内容をお伝えします。
枕草子 二段の内容とは?
清少納言は何月が好き?
結論から言いますと、枕草子 二段には一月から十二月の中で、清少納言が風情を感じる『月』の事が書かれています。
内容を現代風にしてみると、このようになります。
『一年の中で私の好きな月、それは一月、三月、四月、五月、七月、八月、九月、十一月、十二月・・・なんだかんだで、全部好き!!』
かなり要約してますが、彼女が二段で言ってることはこれだけです。結局、それぞれの月ごとに良さがあるということです。
それぞれの月に風情がある
なんか微妙な二段ですが、実はこの後に続く三段とセットで読むことで、その真価が発揮されます。
三段では、それぞれの月が織りなす印象的な出来事が記されています。つまり、
一段『春はあけぼの』が季節を切り取った情景であるのに対し、この二段~三段は暦である『月』を切り取った情景なのです。
二段を読んだら、そのまま三段まで読み進めていかないと、清少納言が言いたかった事が理解できませんので要注意です。
なお、枕草子の章段数は参考にする伝本や、歴史学者さんによってバラつきがあり、今回紹介している二段と三段をまとめて二段としている場合もあります。
しかし、単純に枕草子を楽しむのであれば、この辺は読み手の解釈で問題ありませし、深く考えなくても良いでしょう。
二月と六月と十月が無い・・・
ところで、清少納言が好きな『月』、ちょっと疑問に思った方もいるのではないでしょうか?もう一度、清少納言が好きな月を確認してみましょう。
『一月、三月、四月、五月、七月、八月、九月、十一月、十二月』
そうです、二月と六月、そして十月が入っていないのです。
これには様々な解釈があります。ちょいと小難しい話になります。
ちなみに平安時代は旧暦(昔の暦)なので、現代とはちょっと季節がズレています。
では旧暦を現代の暦に当てはめてみましょう。
二月は春の真っただ中。
六月は夏の終わり。
十月は冬の始まり。
おおよそ、このような季節に当たり、清少納言がこの時期を中途半端と感じていたのでなないかという説があります。
また、単純な月の列挙では面白くないので、あえて二月、六月、十月を外しているといった説もあります。清少納言の散文家としての才能から考えると確かに頷けます。なので僕はこの説を支持しています。しかし、この辺も、深く考えすぎない方が『枕草子』を純粋に楽しめると思いますので、あまり気にしなくても大丈夫です。
参考:枕草子 二段『頃は』より
全三〇〇段もある枕草子
以上が、枕草子 二段の内容です。
『春はあけぼの』は知っていても、その後の内容はご存じない方も多いのではないでしょうか?
しかし、枕草子は全三〇〇段から成る壮大な古典です。
この中には、あなたもきっと共感できる内容があるはずです。
もっと枕草子の世界を覗いてみたい方は、こちらからお好みの記事をご覧ください。

では、今回はこの辺で!ありがとうございました。