枕草子の内容とあらすじ!作者の清少納言が残した春はあけぼのの世界

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枕草子のこと

清少納言の枕草子。

 

清少納言
清少納言

春はあけぼの やうやう白くなりゆく 山ぎは少し明かりて紫だちたる雲の細くたなびきたる

有名な枕草子冒頭部分ですね。

 

この冒頭は聞いたことがある、という方も多いと思いますが、枕草子全体の構成は一体どうなっているのでしょうか?冒頭部分は知っていても、その中身がどうなっているのかは、案外知られていません。

 

この記事では、作者 清少納言の魅力がいっぱい詰まった枕草子、その全体像を見てみることにしましょう。

 

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枕草子の作者とジャンル

枕草子と言えば、その作者は清少納言

清少納言

平安時代中期の女性で、一条天皇の皇后である定子(ていし)に仕える女性でした。

 

そんな清少納言が定子に仕えた約7年間の出来事、あるいは日々感じたことが書かれているのが枕草子です。

同時代の文学として紫式部の源氏物語がありますが、こちらが物語性のある長編小説なのに対し、枕草子は散文の形で書かれています。

一般的には、随筆やエッセイなどのジャンルに属することが多いです。

 

最近では枕草子のことを『千年前のブログ』なんて言われ方もしますが、とてもしっくりきますね。

 

また、枕草子のあらすじは?と言った疑問を持つ方もいらっしゃるようですが、エッセイといった性質から、一貫したあらすじやストーリーはありません。

ただ、清少納言の回想録も含まれているため、章段によってはひとつの短編ストーリーになっている場合があります。

 

枕草子の内容

枕草子の一場面を描いたもの

では、枕草子の内容を見ていきましょう。

 

枕草子の内容は大きく分けて3つのパターンに分類されます。

正確には2つの要素が絡んでいたり、学者さんによっては言い回しが違ったりもしますが、オーソドックスな分類としては、このような形が最も一般的です。

  • 類聚的章段(るいじゅうてきしょうだん)
  • 日記的章段(にっきてきしょうだん)
  • 随想的章段(ずいそうてきしょうだん)

ちょっと難しい表現なので、ひとつずつ説明致します。

 

類聚的章段

枕草子には、清少納言が気になった『山』や『池』や『虫』などが列挙された内容があります。

一例として清少納言が気になった『山』の一部を見てみましょう。

 

山は小倉山。鹿背山。三笠山。このくれ山。いりたちの山。忘れずの山。末の松山。かたさり山こそ、いかならむとをかしけれ・・・

このような形で、テーマに沿った名称を連想ゲームのような形で次々と挙げていきます。

これを『類聚的章段』と言います。

 

しかし『類聚的章段』で注目したいポイントは、ちょいちょい入ってくる清少納言の個人的な感想。

例として紹介した『山は』の中で言うと『いかならむとをかしけれ』の部分です。

 

清少納言は『かたさりの山』『いかならむとをかしけれ』と言っていますが、言葉足らずでちょっと分かりにくいので、かなり補足を入れつつ現代語にしてみます。

 

清少納言
清少納言

『かたさりの山』は漢字にすると『片去りの山』。

片方が去る山って、なんでそんな遠慮した名前なんだろう?

遠慮する山ってどんな山なのかと思うと面白い!

 

こんな感じで、彼女が特に気になった名称に対し、ちょっとした感想が添えられているのです。

で、このちょっとした感想が、なんとなく彼女独特の感性でとても面白いのが類聚的章段の見どころです。

 

なお、枕草子のなかでも結構有名な『すさまじきもの』という章段も、この類聚的章段に属しています。

 

日記的章段

清少納言が仕えた定子(左側の女性)

続いては『日記的章段』。

おそらく、枕草子の中ではこの『日記的章段』が最も親しみやすく、読みやすい内容ではないかと思います。

 

『日記的章段』とは、読んで字のごとく、清少納言の日記です。彼女が宮廷で過ごした約7年間の備忘録のようになっています。

 

平安時代の宮廷文化を記録した貴重な歴史的史料とも言えるでしょう。

 

『日記的章段』にはいろいろな出来事が書いてあるのですが、その中でも最も彼女の筆が走っているのが、主である『定子(ていし)』との想い出です。

 

定子との機知に富んだやりとりや、自身の学識を自慢するかのような内容も多くありますが、やはり有名なのは『雪のいと高う降りたるを』でしょう。

『高炉峰の雪』の名でも知られている、枕草子の中でも特に有名な部分です。

 

また、日記的章段で面白いのが『宮にはじめて参りたる頃』

宮仕えを始めたばかりの清少納言が、周囲に翻弄され、あたふたし続ける回想録です。強気な彼女も、最初は何もできない普通の女性だったことが分かる、非常に興味深い内容となっています。

 

随想的章段

最後は『随想的章段』について。

 

これに関しては、まず原文を見てみましょう。

清少納言
清少納言

春はあけぼの やうやう白くなりゆく 山ぎは少し明かりて紫だちたる雲の細くたなびきたる

 

そうです。枕草子冒頭部分、一段『春はあけぼの』ですね。

 

この『春はあけぼの』に代表される内容が『随想的章段』に分類されます。

 

随想的章段は線引きが難しく、学者さんによっても意見がまちまちなのですが、『類聚的章段』や『日記的章段』に属さない内容は、全部『随想的章段』だと思って差し支えありません。

一般的には『春はあけぼの』のように、清少納言が風情を感じた情景が『随想的章段』に分類されることが多いです。

 

枕草子の章段数

以上のような3つの内容

  • 類聚的章段
  • 日記的章段
  • 随想的章段

これらの章段が、ランダム(一定の法則もある)に書かれているのが枕草子です。

 

そして、ひとつの内容ごとに一段、二段とカウントしていきますが、これを『章段』と言います。

なので一番最初の『春はあけぼの』は章段で言うと『一段』になります。

 

では、枕草子は何段まであるのかと言いますと、約三〇〇段もの膨大な章段で成り立っています。

300にも及ぶ章段には、妙に長いものもあれば、わずか一行で終わってしまう短い内容も存在します。

 

しかし、この章段数にも定説はなく、現存している写本によって章段数に差があります。章段をひとまとめにする場合や、別々にする場合もあり、決まった解釈はありません。

 

ただ、どの説をみても三〇〇前後であることには変わりなく、おおよそ300くらいの内容が散りばめられていると思っていただければ問題ありません。

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清少納言が語る枕草子

枕草子の最後には跋文と言われる後書きが存在し、清少納言自らが枕草子の内容について触れています。

この草子、目に見え、心に思ふことを、人やは見むとすると思ひて、つれづれなる里居のほどに書き集めたるを、あいなう、人のために便なき言ひ過ぐしもしつべき所々もあれば、よう隠し置きたりと思ひしを、心よりほかにこそ、もり出でにけれ。

 

現代風に意訳するとこのようになります。

 

清少納言
清少納言

枕草子は私が目で見て、心で思ったことを、まさか人が見る事も無いだろうと思い、里に帰っている時に書き始めました。

清少納言
清少納言

いろいろと書いてしまったのですが、読む人によっては不都合な内容や、言い過ぎてしまった部分もいっぱいあるので、私としてはうまく隠しておいたつもりだったのですが、意図せず世間に漏れてしまいました・・・。

 

清少納言としては、あまり人に見られたくない内容だったみたいですね。

 

平安時代が脳裏に蘇る枕草子

以上が、枕草子のおおまかな内容になります。

 

古文の授業にもよく登場する枕草子ですが、古典とか難しいことは考えず単純に平安時代の一女性の日記として読むと、案外楽しいものです。

 

千年前から人間の本質は変わらない事が伝わってくる枕草子。

平安時代の華やかな宮廷文化を現代に伝える枕草子。

清少納言独自の感性で煌びやかに表現される情景描写。

 

そんな枕草子に、あなたも是非触れてみてください。

 

千年前も同じ日本に生きた僕たちと同じ日本人の感性が、あなたの心にも響いてきますよ。

 

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