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拓麻呂です。
戦国時代の前期~中期あたりに、室町幕府の実権を握っていた細川家。
本来は幕臣なので足利将軍家の家臣なのですが、細川政元による明応の政変を契機として、幕府内での影響力を大きく強めました。
そんな細川家の中でも、織田信長や明智光秀と同時代を生きた『細川藤孝(細川幽斎)』は、比較的有名な人物です。
また、信長が上洛するちょっと前の京都で活躍していた人物が、同じく細川家の『細川晴元』と、細川家の後に畿内を牛耳る『三好長慶』です。
同じ『細川』を名乗る藤孝と晴元は、どのような関係なのか?
また、細川氏と三好氏はどのような関係だったのか?
細川晴元、細川藤孝、三好長慶の3名を中心に、戦国時代の細川家について家系図を交えながら解説していきます。
細川晴元と藤孝、長慶の関係
細川家系図
まずは、コチラの系図をご覧ください。
このように、晴元と藤孝はともに『細川頼春』という人物を祖としています。
ただし、頼春が生きた時代は嘉元元年(1304年)~文和元年(1352年)。
時代区分で言うと、鎌倉時代末期から南北朝時代の初期あたり。
晴元や藤孝が活躍した戦国時代の中期~後期から見ると、200年以上前の人物です。
つまり、晴元と藤孝は一応血縁関係ではあるものの、かなり昔に枝分かれした細川家ということになります。
なお、室町時代の細川一族の中では『細川頼之』が有名ですが、彼も細川頼春の子であり、晴元や藤孝と祖を同じくします。
もちろん、応仁の乱で東軍を率いた『細川勝元』、明応の政変で幕府を牛耳った『細川政元』らも、同じ細川一族です。
ただし、あくまで本家筋は、頼之から勝元、政元へと繋がる細川家です。
この家系を『細川京兆家(けいちょうけ)』と言い、幕府のNo.2である『管領(かんれい)』を務める家柄でした。
晴元は京兆家の流れを汲む一族ではなかったのですが、京兆家の内紛を纏め上げたことで、細川家のトップに君臨していた時期があります。
よって便宜上、晴元も京兆家の一人に名を連ねています。。
つまり晴元は、一時期幕府の実権を握っていた人物なのです。
一方、藤孝へと繋がる細川家を『和泉上守護家』と言います。
京兆家が細川家の本流で、幕府の実権を握っていたのに対し、和泉上守護家は細川家の支流で、あくまで幕臣として活躍した家です。
このように、同じ細川家と言っても、立場に大きな差があったのです。
細川晴元と三好長慶
そんな細川家と密接な関りを持っていたのが『三好家』です。
晴元や藤孝の時代で言えば『三好長慶』が大きな存在感を示しています。
細川家と三好家の関係は、簡単に言ってしまうと『主従関係』でした。
細川家の家臣が三好家です。
『三好家』、『細川家』、ついでに『足利家』を相関図にすると、以下のような感じです。
長慶の父『三好元長』は、細川晴元の家臣でしたが、敵対していた同族の『三好政長』と晴元の策略によって元長亡くなったため、長慶が三好家の当主となります。
最初は晴元に従って細川家の勢力拡大に貢献していた長慶でしたが、やがて反旗を翻し、父を亡き者にした三好政長を討ち取りました。(江口の戦い)
さらには細川晴元、晴元と手を組んでいた13代将軍『足利義輝』を京都から追放し、畿内に独自の政権を打ち立てました。
細川家の家臣であった長慶でしたが、父を亡き者にした政長を討ち、さらには主君にあたる晴元を京都から追い出して、父の無念を晴らすことに成功しました。
つまり、細川晴元と三好長慶は、もともとは主従関係でしたが、結果的には長慶によって晴元(細川京兆家)は没落してしまったのです。
細川家と三好家
戦国時代と言うと、やはり織田信長とか武田信玄といった名前が有名で、細川や三好の武将たちは、お世辞にも有名とは言えません。
しかしながら、細川家と三好家は戦国時代の前期~中期の畿内の状況を知る上では、絶対に外せない武将たちです。
とくに三好長慶などは、戦国時代において初めて室町幕府を前提としない独自政権を打ち立てた人物であり、信長や秀吉よりもはるかに早く畿内一帯を制圧しています。
そんな三好長慶に対したのが細川晴元です。
つまり、三好氏や細川氏を知らないと、後に京都を制圧する織田信長との連続性が見いだせ
ないのです。
そういった意味では、細川や三好を知っておくことは、戦国時代を俯瞰する上でとても重要なのかなと考えています。
まとめ
以上、細川晴元、細川藤孝、三好長慶の関係でした。
晴元と藤孝は同じ細川家ではあるが、その祖は鎌倉時代末期にまで遡る。
細川と三好はもともとは主従関係だったが、後に長慶がその関係をひっくり返した。
ということになるのでした。
そして、戦国中期の畿内の状況を把握するためには、足利将軍家と三好家の関係にも注目せねばならないのです。
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では、今回はこの辺で!
ありがとうございました。