天照大御神
月読命
建速須佐之男命
いろいろなゲームなどにも登場しているの神様たちなので、名前だけはご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この三柱の神様は三貴子(さんきし、みはしらのうずのみこ)と呼ばれ、日本神話に登場する非常に尊い神様です。
この記事では、古事記の神話を元にして三貴子(アマテラス、ツクヨミ、スサノオ)がどのように誕生したのかを、家系図を交えつつわかりやすく解説していきます。
三貴子の系図
まずは簡単に三貴子の系図や、各神様の簡単なプロフィールを確認していきましょう。
すでにお伝えした通り、三貴子とは「アマテラス」「ツクヨミ」「スサノオ」から成る、三柱の神様の総称で「とても貴い神様」という意味も持っています。
三貴子は「みはしらのうずのみこ」、もしくは「さんきし」と読みます。
三貴子のそれぞれの特徴を簡単にお伝えすると以下のようになります。
ツクヨミ:夜を支配する月の神様
スサノオ:嵐のように勇猛迅速な荒れすさぶる神様
それでは、以下より三貴子が誕生する際の状況を見て行きましょう。
三貴子の誕生神話
まず簡単に神話の概要をお伝えしますと、三貴族が誕生したのは、イザナギという三貴子の父にあたる穢れを洗い清めていた時です。
イザナギは不慮の事後で亡くなってしまった妻「イザナミ」に会うため、死者の国である「黄泉国」を訪れるのですが、イザナギとイザナミはケンカ別れしてしまいました。
イザナギは、死者の国で穢れてしまった体を清めようとしていたのです。
なお、三貴子誕生に至るまでの神話(イザナギの神話)に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますのでぜひご覧になってみてください。
黄泉の国から生還したイザナギ
黄泉の国から生還したイザナギ。
しかし、汚らわしい黄泉の国へ行ったことにより、イザナキの体は穢れ(けがれ)てしまいました。
「穢れ」とは忌み嫌われる不浄な状態なので、洗い清めなければなりません。
イザナキは川で穢れを洗い流し、身を清めます。
この穢れを洗い清める行為を「禊(みそぎ)」と言います。
実は、現在でも禊の風習は残っています。神社参拝の時に水場で手を洗い、口をゆすぎ、そして参拝という流れが一般的ですね。これが神社参拝の前に身を清める行為、つまり『禊』に相当します。本来であれば禊とは全身を洗うのですが、なかなかそうもいかないので手を洗う事で禊としているのですね。
アマテラス、ツクヨミ、スサノオ誕生
この禊により、イザナギの脱ぎ捨てた服や、洗い落とした垢からたくさんの神様が現れます。
そして体を清めたイザナギは最後に顔を洗いますが、この時に三貴子が誕生します。
左目を洗った時に天照大御神(アマテラス)が誕生。
右目を洗った時に月読命(ツクヨミ)が誕生。
そして、鼻を洗った時に須佐之男命(スサノオ)が誕生しました。
この三柱の神様が『三貴子』です。そしてイザナキは三貴子の誕生を大いに喜び、それぞれに役割を与えます。
アマテラスには高天原(たかまのはら、たなまがはら)の統治を、ツクヨミには夜の世界の統治を、スサノオには海原の統治を命じます。
このようにして、三貴子と呼ばれるアマテラス、ツクヨミ、スサノオは誕生したのです。
三貴子まとめ
以上、三貴子の誕生に関する神話をご紹介しました。
三貴子が登場して以降、古事記では「アマテラスの岩戸隠れ」や、「スサノオのヤマタノオロチ退治」など、有名な神話が展開されていきます。
また、アマテラスやスサノオと違い、古事記ではツクヨミの主だった神話が存在せず、極めて謎の多い神様となっています。
そんな三貴子に関して、個別に詳しく紹介している記事もありますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。
【参考にした主な書籍】