ツクヨミとは何なのか?日本神話に登場する謎の神様!

ご来訪ありがとうございます。

『若者にこそ日本神話をしってほしい』拓麻呂です!

アマテラス、スサノオと並び、三貴子(みはしらのうずのみこ、さんきし)の一角を成す『ツクヨミ』。

三貴子とは、イザナキが禊を行った時に成った、非常に重要な三柱の神様です。そんな重要な三貴子に数えられながら、どういう訳かツクヨミは日本神話にほとんど登場しません。一方でアマテラスやスサノオは沢山登場し、日本神話を形成する重要な役割が与えられています。

このツクヨミの出番の無さは、日本神話における最大の謎のひとつと言えます。古事記に至っては、ツクヨミ誕生のエピソード以降、全く登場の機会はありません。

これには一体どのような意味が隠されているんでしょうか?ツクヨミとは一体なんなのでしょうか?残念ながら定説はなく、現在でも真相は闇の中と言う他ありません。

今回は、そんな謎に包まれた尊い神様ツクヨミについて迫ってみたいと思います。

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~日本神話にほとんど登場しない謎の神ツクヨミ~

ツクヨミの謎① 名称について

まずツクヨミの名称について。

一般的には『月讀命(つくよみのみこと)』と表記される事が多いですが、この他にも月夜見、月夜美、月予見、月弓など様々な表記が存在します。

この名が示す通りツクヨミは『月の神様』とされています。太陽の女神であるアマテラスと対を成す存在です。これは、イザナキから夜の国を治めるよう命じられていることからも分かります。

では月讀(月読)には、どのような意味があるのでしょうか?単純に考えると『月を読む』ということになります。

月には満ち欠けがあり、潮の満ち引き、女性の月経などと深く関係しています。この月の満ち欠けを元にした暦が太陰暦(たいいんれき)。そして太陽の周期を元にした暦が太陽暦(たいようれき)です。

このように太陰暦は月、太陽暦は太陽の周期を元にした『暦』ですが、『暦(こよみ)』の語源を『日読(かよみ)』とする説があります。

この日読から月読(つきよみ→つくよみ)といった名称が付けられたと考えられています。

ツクヨミの謎② 三種の神器との関連性

次は三種の神器との関連性を見ていきます。

まず、三種の神器とは何なのかについて簡単にご説明いたします。

三種の神器とは、八咫鏡(やたのかがみ)、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)の三つの宝物の総称です。この三種の神器の所有者こそが天皇陛下であり、皇位継承時に三種の神器を譲り受けることでご即位が成立します。日本における最も尊い宝物と言えるでしょう。

この三種の神器は日本神話にも登場します。そして三貴子を象徴するとされており現存しています。

八咫鏡はアマテラス、伊勢の神宮 内宮に現存。

天叢雲剣はスサノオ、熱田神宮に現存。

そして八尺瓊勾玉がツクヨミの象徴とされ、宮中に現存しています。

意外なことに宮中に残されているのはツクヨミの象徴である勾玉のみで、鏡と剣は別の場所に現存しているのです。(厳密には鏡と剣も宮中にありますが、御霊分けしたレプリカです。よってオリジナルは勾玉だけという事になります)

日本神話には、鏡と剣が伊勢と熱田に奉納された経緯が語られています。しかし勾玉はその象徴であるツクヨミ同様、登場して以降大きな扱いはされていません。ここにもツクヨミを探るヒントが隠されているのかもしれません。

ツクヨミの謎③ お祀りされている神社

次は、現在ツクヨミがお祀りされている神社について。

三貴子であるアマテラス、ツクヨミ、スサノオは尊い神様であるだけに全国各地にお祀りされています。三貴子を祭神とする神社の総数は以下のようになります(参考:『ツクヨミ秘された神』より)

アマテラス:13,582社

スサノオ:13,548社

ツクヨミ:704社

このようにツクヨミを祭神とする神社は圧倒的に少ないのです。このことからもツクヨミには何か隠される理由であったり、後から付け加えられた神様なのではないかと言った疑念が生まれます。

ともかくもツクヨミはミステリアスで、興味の尽きない神様です。

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~ツクヨミをめぐる解釈~

このように謎多きツクヨミですが、その存在に対して様々な解釈が存在します。ここからはツクヨミとは一体何なのか見ていくこととします。

なお冒頭でも述べましたが、定説というものは存在おりませんので、その辺はご理解の上お読みいただければ幸いです。

ツクヨミの解釈① スサノオと同一神

まずはこれ、元々はスサノオと同一の神様だったのではないかという考え。まずはこちらのエピソードをご覧ください。日本書紀の一説に記された、ツクヨミの唯一とも言えるエピソードです。

ある日、ツクヨミは『ウケモチノカミ』という神様の様子を見てくるよう、アマテラスに命ぜられ地上に降り立ちました。

ウケモチノカミは口から様々な食べ物を吐き出し、ツクヨミをもてなそうとします。

ところが、その様子を見たツクヨミは、汚らしいという理由でウケモチノカミを斬り付けてしまったのです。(まぁ嘔吐物を食わせようとしたわけですからね・・・)

これを聞いたアマテラスはお怒りになり、ツクヨミと決別してしまいました。

この出来事がキッカケで、昼(太陽神アマテラス)と夜(月神ツクヨミ)は完全に分かれてしまったのです。

そして、斬られたウケモチノカミの体からは稲や大豆などが産まれており、アマテラスはその種子を畑や田んぼに植えたところ、素晴らしい収穫を得ることができました。

これが日本書紀の語るツクヨミの唯一とも言えるエピソードです。昼と夜が誕生した経緯とともに、食物の起源を示す物語として現在に伝えられています。

ところがこのエピソード、古事記ではスサノオの物語として語られているのです。

ウケモチノカミがオオゲツヒメと言う神様だったり、口だけでなく尻からも食べ物が出てきたりと若干の相違はありますが、話の流れはほとんど同じです。

日本神話が語る食物の起源!尻から食べ物を出したオオゲツヒメ
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また、スサノオはイザナキから海を治めるよう命ぜられていますが、前述したように海には潮の満ち引きがあり、月の満ち欠け(引力)と大きく関係しています。

さらにはスサノオはあの世の統治者ともされており、実際、古事記でもヤマタノオロチを退治した後は根之堅州国(ねのかたすくに)という場所に住んでいるのですが、これはあの世の事だと言われています。

そしてツクヨミもまた、闇の世界の統治者であり、あの世を司る神と捉えられることがあります。

このように、ツクヨミとスサノオは共通する部分が多く、元々は同一の神だったのではないかという説です。

ツクヨミの解釈② あえて登場させていない

前述のようにアマテラス、ツクヨミ、スサノオは三貴子として一括りにされていますが、日本神話にはこの他にも三柱一括りで登場する神様が存在します。

古事記で例を出すと、最も最初に登場する神様たち。

『アメノミナカヌシノカミ』、『タカミムスヒノカミ』、『カムムスヒノカミ』

この三柱の神様は『造化三神』と言われていますが、この中でアメノミナカヌシのみがツクヨミ同様、登場以降の活躍が見られません。

アメノミナカヌシ様は何処へ?最初に成った神様がご鎮座する神社
古事記に記された日本神話。この日本神話はどのような始まり方なのでしょうか?実は、ちょっと不思議な始まり方なんです。最初に登場する神様のお名前は『アメノミナカヌシ』様。このアメノミナカヌシ様の登場から日本神話の大きな謎が秘められています。日本神話の最初に登場する神様アメノミナカヌシ様が見せた摩訶不思議な現象を見てみましょう。

また、海幸山幸神話は『ホデリノミコト』、『ホオリノミコト』という兄弟が登場する物語ですが、この兄弟にはもう一柱『ホスセリノミコト』という神様がいます。ところがこの海幸山幸神話でもホスセリノミコトのみ、全く登場しません。

このように、三柱の神様のうち一柱を登場させないという現象は、ツクヨミだけではなく他の神様にも事例があるのです。

これにも古事記や日本書紀の編纂意図が見え隠れしていると言えそうです。

興味の尽きないツクヨミという神様

いかがだったでしょうか?このようにツクヨミには様々な謎や解釈が存在し、今なおその全貌は明らかになっていません。よほどの史料なり考古学的発見がない限り、おそらくこの先も謎の神として異彩を放ち続ける事でしょう。

しかしながら、ツクヨミの真骨頂はこの『謎めいた神様であること』に尽きるのではないでしょうか。

歴史、とくに神話を含む古代史は文字史料もほとんど無く、その人それぞれの想像や解釈で様々な説を生む懐の深さを持っています。この懐の深さが現代人の興味をそそる、古代史や神話の最も大きな楽しみと言えるでしょう。

ツクヨミはそんな現代人の探究心をくすぐる、絶対的な謎の神であり続けているのです。

~万葉集にも登場するツクヨミは男神?女神?~

ツクヨミは『月夜見姫命』や『月讀姫命』などと表記されることもあり、実は女神様なんじゃないかと言う捉え方もあります。そうするとアマテラスとは姉妹になるわけですね。(アマテラスにも男神説がありますが・・・)

ギリシャ神話なんかだと太陽神がアポロン(男神)で月神がアルテミス(女神)だったりするので無い話ではないかもしれませんね。まぁ、外国の神話と比べること自体あまり意味の無い事ですけど。

ちなみにツクヨミは万葉集の詩にも登場しています。当時から馴染みのある神様だったのかもしれませんね。

日本神話とは、どんな物語なのか?もっと気になる方はこちらにご入場ください。

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※ツクヨミの事をもっと深く知りたい方にはコレがオススメ!!

では、今回はこの辺で!ありがとうございました。


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